臨床検査指標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 03:00 UTC 版)
グリコヘモグロビンの生成の仕方から明らかなように、グルコースの濃度が高いほど、すなわち、血糖値が高ければ高いほど、グリコヘモグロビンの生成は促進される。したがって、糖尿病の場合、特に血糖コントロールが不良だと、グリコヘモグロビンの量は通常よりも増加する。逆に、体内にインスリノーマが存在するなどの原因で、血糖値が低下傾向にある場合、グリコヘモグロビンの量は通常よりも減少する。しかしながら、ヘモグロビンを持った血球である赤血球は、健常なヒトであっても約120 日程度が寿命であり、古くなった赤血球は脾臓などで処理され、この時にグリコヘモグロビンも分解される。このために、グリコヘモグロビンの血中濃度は、過去数ヶ月の平均血糖値を反映した指標にすることができる。成人型ヘモグロビン(ヘモグロビンA)のβ鎖N末端が糖化したグリコヘモグロビンは、ヘモグロビンA1cと呼ばれ、グリコヘモグロビンの中でも比較的検出が容易なことから、血糖コントロールの指標として測定される。なお、WHOが推奨する基準値は、48 (mmol/ml)以下とされている。
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