臨床検査値としての意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 05:23 UTC 版)
「γ-グルタミルトランスフェラーゼ」の記事における「臨床検査値としての意義」の解説
γ-GTPは血液試料から逸脱酵素の1つとして検出され得る。つまり、γ-GTPは本来ならば細胞内に存在しているのだが、何らかの理由で細胞が破壊されたりしたことによって、血中へと遊離したことによって、この値は上昇する。また、ヒトなどでは特に疾患が無くともγ-GTPは血中から検出されるものの、疾患があると、その値は異常に上昇する場合がある。特に、胆道系疾患の胆嚢炎や胆道炎、さらに胆道閉塞などによって上昇する。また、肝臓疾患の肝ガンやアルコール性肝障害などによっても値が上昇する。このため、肝・胆道系疾患のスクリーニングのための検査項目の1つとして利用され得る。なお、γ-GTPはエタノールのほか、フェニトイン、フェノバルビタール、ジアゼパムなどの薬物によって発現量が増加する、つまり、酵素誘導がなされることが知られている。特に、過度の飲酒によってγ-GTPが誘導され、これがアルコール性肝障害で肝細胞が破壊され、結果として血中に通常よりも多くのγ-GTPが逸脱してくることは、よく知られている。したがって、過度の飲酒による肝障害かどうかの鑑別、適切な飲酒量が守られているかどうかの鑑別に、血中のγ-GTPの値が利用されることもある。
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