腕神経叢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:10 UTC 版)
腕神経叢(C5〜T1の前枝)は上(C5、C6)、中(C7)、下(C8、T1)の3本の神経幹としてはじまり、それぞれの神経幹は前後に分枝し、それらが吻合して3本の神経束を形成する。腋窩動脈の位置関係からそれぞれ後側(C6〜C8)・外側(C6〜T1)・内側(C8、T1)神経束とよばれる。後神経束は腋窩神経を分岐した後に橈骨神経に、外側神経束は筋皮神経を分岐した後に内側神経束の成分と合流し正中神経に、内側神経束の残りは尺骨神経になる。 橈骨神経 橈骨神経は腕神経叢の最大の分枝であり上腕三頭筋への分枝を出した後、上腕骨の中央部で背側を回り前面に出る。橈骨神経溝を通過して腋窩外側で浅枝と深枝に分かれ、上腕の伸筋(上腕三頭筋)と前腕の全ての伸筋群を支配する。 正中神経 正中神経は外側神経束に一部内側神経束が合流し、上腕動脈に沿って下行する。腋窩に達した後、前腕掌側中央を下降し手根管を通って手掌に達する。尺側手根屈筋を除く、前腕の全ての屈筋を支配し、固有手筋では母指の動きに関連した筋群を支配する。 尺骨神経 尺骨神経は内側神経束の終枝で、上腕二頭筋の内側を下行し、徐々に上腕の後面に回り、上腕骨の肘関節部分で尺側上顆後面の尺骨神経溝を通る。前腕の掌面に出て、尺側手根屈筋に沿って下行し、手根部でGuyon管を通って手掌に達する。前腕では尺側手根屈筋、深指屈筋を支配し、母指球筋では母指内転筋を小指球筋では全ての筋を支配する。また骨間筋も支配する。
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