脊柱と肋骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 02:14 UTC 版)
メガラプトル類は頸椎の後方が強く窪む点で獣脚類の中でも特異的である。前側が凸で後側が凹な椎骨はアロサウルスや竜脚類に特徴的であり、剪断に対する防御を犠牲にすることなく高い柔軟性を促進する可能性がある。一方で、神経棘が短く、横突起が椎体の頭尾中心付近に位置し、側腹腔(pleurocoels)として知られる外側の溝の対が存在する点で、メガラプトル類の頸椎はカルカロドントサウルス類のものにも類似する。事実、大半のメガラプトル類の椎骨には1本以上の側腹腔が存在しており、椎骨の中で小さな無数の空洞と複雑なシステムを接続する。メガラプトル類およびごく少数の他の樹脚類の椎骨のこの網状内部構造は、"camellate"として記載される。 近位の尾椎には長軸方向の稜が下面に沿って走っており、これはネオヴェナトルと同様である一方、ティラノサウルス上科とは異なる。またメガラプトル類の椎体の横突起からは、対になった外側稜が下側に伸びる。これらの稜は横突起の下に大型の孔(infradiapophyseal fossa)を形成する。これらの稜はlaminaeとも呼ばれ、他の獣脚類の胴椎にも存在するものの、メガラプトル類のものは尾の付け根でcentrodiapophyseal laminaeが発達している点で特異的である。時には胴椎のものよりも発達する場合がある。こうした特徴を共有する他の獣脚類はスピノサウルス科のみである。メガラプトル類の稜の強い発達は、彼らの尾が上下に高く、また筋肉質であったことを示唆する可能性がある。 肋骨は太く、湾曲し、また中空である。椎骨との接続部付近には孔が存在する。腹肋は幅広かつ頑強なパドル型構造であり、胸部の正中線上で左右が癒合する。これらの構造はメガラプトル類が幅広な体躯を有していたことを示しており、ティラノサウルス科における状態と類似する。
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