繊毛虫の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 02:47 UTC 版)
ゾウリムシなどの繊毛虫類では、かなり様子の異なった現象が接合として知られている。 ゾウリムシの接合は、細胞が融合することがなく、接合する二個体は腹面で接触し、終了すると再び分かれる。接触部分で核の行き来が行われる。ゾウリムシの細胞には2種の核があり、大きいのが大核、小さいのが小核と呼ばれる。接合が始まると、大核は消失する。その後に小核が減数分裂を行い、4つに分かれる。この4つのうち2つは消失し、1つが相手の細胞に移動する。それぞれの細胞では残った1つの核と、相手から来た1つの核が融合して、これが新たな小核となる。これで接合は終了し、それぞれの細胞は分かれて行く。大核はその後に小核を元に形成される。 この場合、2つの細胞が完全に融合することはなく、連絡を持つものの、2つの細胞は独立を保つ。しかし、両者の核より減数分裂で生じた核が融合して新しい核を生じる、という面では一般の接合と同じである。また、この方法を、渦虫類のような雌雄同体の動物が、2頭が互いに相手に精子を注入して受精させるのと比較する考えもある。現象的には類似すると言えなくはないが、つながりを考えるのには無理がある。
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