繊毛逆転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/01 17:38 UTC 版)
繊毛を持つ生物や器官が刺激を受けた際に、一時的に繊毛打の方向が変化する現象。しばしば繊毛運動の一時的な停止を伴う。繊毛打の変化幅は最大180°であり、この時は完全に運動方向が逆転する。繊毛はその運動が周囲の繊毛と共動的であるが、周囲への繊毛波の伝播方向も逆転する。繊毛逆転は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンといった2価イオンに対する細胞膜の透過性の変化と、それに伴う膜電位の変化により引き起こされると考えられている。ゾウリムシの逃避反応が有名であり、現実にゾウリムシの繊毛基底部にはカルシウムチャネルが局在していることが知られている。また、この現象は他の繊毛虫、棘皮動物の幼生、腔腸動物、軟体動物、脊索動物などでも知られている。
※この「繊毛逆転」の解説は、「繊毛」の解説の一部です。
「繊毛逆転」を含む「繊毛」の記事については、「繊毛」の概要を参照ください。
- 繊毛逆転のページへのリンク