繊毛粘液摂食との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/05 13:14 UTC 版)
繊毛粘液摂食というのは、触手などの表面に粘液を分泌し、ここに微粒子を吸着させて、それを繊毛で口に運んで食べる摂食方法である。つまり、多量の水をそこに通してその中から餌を拾うので、濾過摂食とは似た点が多い。 厳密には濾過摂食は濾過装置に餌を引っ掻けることで餌を集めるのに対して、繊毛粘液摂食はその表面に餌を吸着させるので、区別はできる。対象とする餌は、濾過摂食が濾過装置に引っ掛かる大きさのもので(小型プランクトン程度)、繊毛粘液摂食の場合はさらに小さなデトリタスである。繊毛粘液摂食を濾過摂食の中に含めることもある。 例えば二枚貝類は水を吸い込んで鰓を通して吐き出し、同時に鰓で集めた餌を食べる。これはかつては濾過摂食であるとされた。しかし、実際には鰓の間を水が抜けて行くわけではなく、鰓の表面を流れるようである。現在では、むしろ繊毛粘液摂食であると考えられている。触手を広げるものの場合も、その表面に繊毛の帯をもち、粘液を分泌しているものも多い。触手動物はそう見てよい。 また、ケンミジンコ類などは摂食用の足に多数の棘状の毛を持ち、これを用いて濾過摂食するものと考えられていた。しかし、あまりに小さいため、濾過の形で餌を捕らえるのは無理(レイノルズ数が大きすぎる)らしい。詳しく調べられているものでは、濾過するのではなく、つまみ取るようにして食べている。
※この「繊毛粘液摂食との関係」の解説は、「濾過摂食」の解説の一部です。
「繊毛粘液摂食との関係」を含む「濾過摂食」の記事については、「濾過摂食」の概要を参照ください。
- 繊毛粘液摂食との関係のページへのリンク