細胞構造と代謝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/04 08:16 UTC 版)
「エンテロバクター・クロアカ」の記事における「細胞構造と代謝」の解説
グラム陰性であることが示すとおり、エンテロバクター・クロアカは外膜と内膜の二つの細胞膜を持つ。外膜上には内毒素のリポ多糖があり、これはリピドAと糖鎖から成る。リピドAはサイトカインの放出を誘導し、サイトカインは毒素を体組織や血流に流入させ、敗血症を誘発する恐れがある。また、エンテロバクター・クロアカはβ-ガラクトシダーゼ、アルギニン加水分解酵素、オルニチン脱炭酸酵素を産生する。リジン脱炭酸酵素、硫化水素、ウレアーゼ、トリプトファン脱アミン酵素、インドールは産生しない。 嫌気条件では細胞を維持するために亜セレン酸をセレン元素に還元できる。この還元反応には電子供与体であるメナキノンが必要である。メナキノンが亜セレン酸を還元するとプロトンの移動が生じ、無酸素状態でも細胞をゆっくり増殖させることを可能にする。 有毒なクロム酸に対して好気条件で耐性を持つ。耐性株CYS-25株は400 mg/Lのクロム酸に対して細胞の大きさを1μmほど増加させ、クロム酸が細胞内に侵入することを防ぐ。 アデニル酸シクラーゼを産生する。この酵素の突然変異は、キュウリの根に定着する細胞数を減少させる。
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