細胞塊と多能性の検証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 08:59 UTC 版)
小保方晴子の博士論文研究では、全身の組織に共通した性質を持つ幹細胞の存在を証明することを目標とし、様々な検討を行っている。胞子様細胞は微細な細胞であり、小保方は低浸透圧の溶液や先端径10μm程のパスツールピペットを用いることにより、大きい細胞塊を壊して微小細胞を採取する方法を考案した。次に、マウスの骨髄から採取した微小細胞群の無血清培地での培養により、浮遊した球形のコロニー(細胞塊)ができることを発見、これを「sphere」と名付けた。 更にこのsphereに対し、万能性幹細胞マーカーSSEA-1やE-Cadherinの発現、Oct4等の遺伝子マーカーの発現について実験を行った。分化能についてもin vitro、in vivo双方で検証し、神経、筋肉、肝実質細胞といった三胚葉由来組織に分化できること、脊髄・筋肉・肺といった他の三胚葉由来組織にもこの細胞群が存在するかどうか、検証を行った。なお、万能性を検証するキメラマウス実験にも取り組んだが、胎児にSphere由来の細胞が見受けられたものの、完全な成功には至っていないとされている。
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