紫外線防止作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 22:37 UTC 版)
「マイコスポリン様アミノ酸」の記事における「紫外線防止作用」の解説
MAAsの吸収極大(λmax)は、268-362nmであり、地表に届くUV(295-400nm)の広い領域をカバーする。UV防御のレンジが広いこと、化合物の安定性が高いことが特徴である。またUVを単に吸収し、熱として逃すだけでなく、抗酸化、抗炎症などの働きにより、光老化を防ぐことができると期待される。なぜ他のUV吸収剤と比べて安定であるか検討されている。主にポルフィラ-334、シノリン及びマイコスポリングリシンについて研究が行われており、これらの化合物は、水溶液中では光安定性が非常に高いことが報告されている。 MAAsは、活性酸素種ROSを発生させることなく、励起に用いられたUVのエネルギーを熱として逃しているとされている。シノリンは特に光に対する安定性が高く、これは、C=N二重結合の近傍での異性化に関与したN-R1基の置換のためであろうと推察されている[8]。MAAsのUV防御作用は、物理的にUVを吸収して、熱として発散するだけでなく、抗酸化作用、抗炎症作用、DNAダメージからの保護、タンパク質の抗糖化作用、コラゲナーゼ阻害作用なども併せ持っているので、光老化を抑制するという面から見ても非常に有望である。
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