紀北町図書館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/17 15:42 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動![]() Kihoku Town Library |
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施設情報 | |
専門分野 | 総合 |
事業主体 | 紀北町 |
管理運営 | 紀北町 |
開館 | 2017年(平成29年)3月11日[1] |
所在地 | |
統計・組織情報 | |
蔵書数 | 46,328冊(2015年3月31日[2]時点) |
貸出数 | 23,538冊(2014年度[3]) |
来館者数 | 13,768人(2014年度[3]) |
条例 | 紀北町図書館条例(平成28年12月16日紀北町条例第20号) |
職員数 | 3人 |
公式サイト | 紀北町図書館 |
備考 | 統計は3室の合計値。 |
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館 |
紀北町図書館(きほくちょうとしょかん)は、三重県北牟婁郡紀北町が設置する公立図書館。紀伊長島図書室、海山図書室、児童図書室の3室からなる[1]。
利用案内
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- 開館時間:9時から17時まで(ただし12時から13時は休館)
- 休館日:月曜日、祝日、年末年始
- 貸出制限:紀北町・尾鷲市・度会郡大紀町に居住・通勤している者。ただし紀北町民以外には一部制限がある。
- 貸出可能冊数:5冊(児童図書館は3冊)
- ただし『広報きほく』掲載の新着図書は紀北町民は2冊まで、紀北町民以外は入荷30日以内の図書は貸出不可。
- 貸出可能期間:15日間
- 予約、町内の他館・他室からの取り寄せ可能。
歴史
紀北町は2005年(平成17年)1月11日に紀伊長島町と海山町が新設合併(対等合併)して発足した[6]。紀伊長島町、海山町ともに図書館法に基づく図書館を開設しておらず、紀伊長島町から多目的会館図書室を、海山町から町民センター図書室と児童図書館を引き継いで運営を開始した[7]。この1館2室は各々が独立して運営され、インターネットからの蔵書検索や予約などはできなかった[8]。
2013年(平成25年)10月1日に紀北町図書館システムが稼働し、インターネットによる蔵書検索や予約が可能になり、町内の他館・他室所蔵の図書を任意の館・室に取り寄せることも可能になった[8]。同時に三重県図書館情報ネットワークに加入したため、三重県立図書館をはじめとする同ネットワークに加入する図書館の蔵書を取り寄せることができるようになった[8]。一方、従来の図書利用カードは使用できなくなり、紀北町図書カードを新規に発行する必要が生じた[8]。
2016年(平成28年)12月6日、紀北町議会に図書館条例を制定するための関連議案が上程された[9]。これに伴い、多目的会館図書室を紀伊長島図書室、町民センター図書室を海山図書室、児童図書館を児童図書室に改称、紀伊長島図書室は2017年(平成29年)3月に紀北町振興会館へ移転する見通しであることが中日新聞で報道された[9]。そして2017年(平成29年)2月26日に多目的会館図書室が移転のために一旦休館となり[10]、同年3月11日に紀伊長島図書室として開室した[1]。同時に町民センター図書室が海山図書室に、児童図書館が児童図書室に改称された[1]。
紀伊長島図書室
紀北町紀伊長島図書室(きほくちょうきいながしまとしょしつ)は、三重県北牟婁郡紀北町長島2141番地の紀北町地域振興会館2階[10](北緯34度11分55.4秒東経136度19分38.0秒)にある図書室である[1]。ISILはJP-1007265[11]。紀北町地域振興会館は旧紀伊長島総合支所であり、2階に図書室[10]、3階に紀北町郷土資料室を設置している[1]。2017年(平成29年)2月26日まで紀北町多目的会館にあり、紀北町多目的会館図書室と称していた[10]。紀北町の設置する3室のうち、唯一三重県図書館協会の施設会員になっている[12]。
図書室のある紀北町地域振興会館2階の床面積は567m2である[13]。紀北町多目的会館図書室時代の2015年(平成27年)3月31日現在の蔵書数は19,013冊、2014年(平成26年)度現在の利用者数は6,709人、貸出冊数は13,960冊であった[3]。漁業の盛んな地域であることから、水産業に関する資料や魚類図鑑を充実させている[14]。
紀伊長島図書室の歴史
紀北町多目的会館は1981年(昭和56年)4月9日に竣工した[15]鉄骨構造3階建ての施設で、2階に多目的会館図書室があり、紀伊長島公民館を併設していた[7]。この施設は「農業構造改善村落特別対策事業」の一環で建設され、農家のために建てられたものであったが、農業とは関係のない一般の町民の社会教育や文化活動の場としても活用された[15]。2階の図書室は当時町民の間で「町に図書館を」という運動に応えるものとなった、という記述が『紀伊長島史』にある[15]が、開館時点の蔵書は公民館から引き継いだ一般書100冊、児童書400冊しかなかった[16]。そこで図書充実委員会を立ち上げて町民への募金活動を展開し[16]、図書の寄贈を受けて所蔵冊数を増やしていった[15]。
多目的会館は耐震基準を満たしていない上、老朽化が進行し、図書室部分の床面積は和室部分35m2を含めて145m2と狭く、書架の間隔が75cmほどで利用者間がすれ違えず、書架の余裕や学習・閲覧スペースがないなどの問題が山積していた[17]。そこで紀北町では、2007年(平成19年)に耐震工事が完了している紀北町地域振興会館(旧・紀北町紀伊長島総合支所)2階への移転を計画した[13]。新図書室の面積は567m2で、一般書架15,000冊以上、児童書架6,000冊以上、絵本書架3,000冊以上、AV書架150点以上を目標に掲げた[18]。2016年(平成28年)12月の紀北町議会で、2017年(平成29年)3月に紀北町地域振興会館へ移転、紀伊長島図書室に改称することが決定した[9]。2016年(平成28年)12月、「年末年始に役立つ本」のコーナーを開設した[19]。なお図書室には嘱託職員として図書館司書1名を配置していた[20]。
そして2017年(平成29年)2月26日に多目的会館図書室が移転のために一旦休館となり[10]、同年3月11日に紀北町地域振興会館へ移転し、紀伊長島図書室として再開した[1]。同日に紀伊長島資料室も開室し、両施設の開室記念式典が12時45分から挙行された[1]。新図書室は書架を低く通路を広くし[1]、学習スペースも設置した[10]。
海山図書室
紀北町海山図書室(きほくちょうみやまとしょしつ)は、三重県北牟婁郡紀北町相賀513番地3の紀北町町民センター2・3階(北緯34度6分30.8秒東経136度13分52.4秒)にある図書室である[7]。紀北町町民センターは1975年(昭和50年)4月に海山町町民センターとして[21]竣工した鉄筋コンクリート構造3階建ての施設であるが、2007年(平成19年)に耐震工事を行い、2014年(平成26年)に改修工事を完了している[7]。図書室は町民センターの開館した1975年(昭和50年)4月に設置された[21]。ISILはJP-1007266[11]。2016年(平成28年)12月の紀北町議会で、海山図書室に改称することが決定し[9]、2017年(平成29年)3月11日に海山図書室に改称された[1]。
図書室の床面積は書庫を含めて350m2であり、各階175m2となっている[7]。2014年(平成26年)までは図書室は3階部分のみであったが、2階を使用していた紀北町役場の部署が移転して空き部屋になったことから2階も図書室に充当された[22]。2014年(平成26年)2月に改装を終えて再開館、2階は高さ1.6mの書架で子供や高齢者が使いやすくし、3階に11席の学習スペースを設置した[22]。2015年(平成27年)3月31日現在の蔵書数は22,642冊、2014年(平成26年)度現在の利用者数は3,816人、貸出冊数は5,670冊である[3]。郷土史に関する資料を重点的に収集している[23]。
嘱託職員として図書館司書1名を配置している[20]。最寄駅のJR紀勢本線相賀駅から徒歩約10分または紀北町いこかバス「海山総合支所」バス停から徒歩約1分である[23]。駐車場は10台[7]。
児童図書室
紀北町児童図書室(きほくちょうじどうとしょしつ)は、三重県北牟婁郡紀北町相賀379番地1の紀北町教育会館1階(北緯34度6分36.3秒東経136度13分36.8秒)にある図書館である[7]。紀北町教育会館は1995年(平成7年)11月に竣工した鉄筋コンクリート構造2階建ての施設で、新耐震基準に沿って建設された[7]。ISILはJP-1007267[11]。2016年(平成28年)12月の紀北町議会で、児童図書室に改称することが決定し[9]、2017年(平成29年)3月11日に児童図書室に改称された[1]。
図書室の床面積は66m2であり、読み聞かせを行う場合は隣接する30m2の情報学習室を利用する[7]。2015年(平成27年)3月31日現在の蔵書数は4,673冊で大半が児童書、紙芝居、絵本である[2]。2014年(平成26年)度現在の利用者数は3,243人のうち小学生以下は2,340人と7割以上を占め、貸出冊数は3,908冊である[3]。親子でのんびりと読書を楽しめる空間作りを心がけている[24]。
嘱託職員として図書館司書1名を配置している[20]。最寄駅のJR紀勢本線相賀駅から徒歩約3分である[24]。駐車場は33台[7]。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k 紀北町企画課 編 2017b, p. 17.
- ^ a b 紀北町教育委員会生涯学習課 2015, p. 2.
- ^ a b c d e 紀北町教育委員会生涯学習課 2015, pp. 2-3.
- ^ “お知らせ/はじめてご利用の方へ”. 紀北町図書館. 2016年12月14日閲覧。
- ^ “お知らせ/貸出について”. 紀北町図書館. 2016年12月14日閲覧。
- ^ “第1章合併 紀北町の誕生”. 紀北町合併10周年記念誌 紀北の軌跡. 紀北町. 2016年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 紀北町教育委員会生涯学習課 2015, p. 1.
- ^ a b c d “図書のお取り寄せ・インターネット検索について”. 紀北町教育委員会. 2016年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月5日閲覧。
- ^ a b c d e “3図書館の名称変更へ 紀北町条例制定、長島は移転決定”. 中日新聞プラス. 中日新聞社 (2016年12月7日). 2016年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月14日閲覧。
- ^ a b c d e f 紀北町企画課 編 2017a, p. 13.
- ^ a b c “isil_public_20161003(J)v2”. 国立国会図書館 (2016年10月3日). 2016年11月5日閲覧。
- ^ “施設会員”. 三重県図書館協会. 2016年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月13日閲覧。
- ^ a b 紀北町教育委員会生涯学習課 2015, p. 10.
- ^ “県内の市町立図書館・図書室紹介/紀北町多目的会館図書室”. 三重県立図書館. 2016年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月13日閲覧。
- ^ a b c d 紀伊長島町史編さん委員会 1985, p. 659.
- ^ a b 狩野 1982, p. 99.
- ^ 紀北町教育委員会生涯学習課 2015, p. 1, 3.
- ^ 紀北町教育委員会生涯学習課 2015, pp. 10-11.
- ^ “年末に役立つ本いかが 紀北町の図書室に60冊”. 中日新聞プラス. 中日新聞社 (2016年12月14日). 2016年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月14日閲覧。
- ^ a b c 紀北町教育委員会生涯学習課 2015, p. 3.
- ^ a b 清水 1996, p. 352.
- ^ a b “本と出会いの場 改装しゆったり 紀北町民センター (三重県紀北町)”. 中日住宅ナビ. 中日新聞 (2014年2月7日). 2016年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月5日閲覧。
- ^ a b “県内の市町立図書館・図書室紹介/紀北町町民センター図書室”. 三重県立図書館. 2016年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月5日閲覧。
- ^ a b “県内の市町立図書館・図書室紹介/紀北町児童図書室”. 三重県立図書館. 2016年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月13日閲覧。
参考文献
- 狩野逸朗「図書室の読書運動」『図書館年鑑1982』社団法人 日本図書館協会、社団法人 日本図書館協会、1982年5月21日、99頁。ISBN 4-8204-8204-1。
- 清水正明『三重県の図書館』三一書房〈県別図書館案内シリーズ〉、1996年4月3日、357頁。 ISBN 4-380-96229-6。
- 『紀北町立紀伊長島図書室・郷土資料館 整備基本計画』紀北町教育委員会生涯学習課、2015年3月、11頁。
- 『広報きほく 2017年2月号 No.136』紀北町企画課 編、紀北町企画課、2017年2月、20頁。
- 『広報きほく 2017年3月号 No.137』紀北町企画課 編、紀北町企画課、2017年3月、24頁。
- 『紀伊長島史』紀伊長島町史編さん委員会、1985年8月1日、1024頁。全国書誌番号: 86022810
関連項目
外部リンク
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