精油の偽装とその危険
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 02:14 UTC 版)
「アロマテラピー」の記事における「精油の偽装とその危険」の解説
「ヤングリヴィング#ドテラとの訴訟」も参照 多数のアロマテラピーの専門書を翻訳した高山林太郎は、精油の流通量は生産量を大きく上回っており、天然の精油に、別の安価な精油や合成物質を加える「偽和」という偽装行為が広く行われていると指摘している。精油の真偽の判定は、ガスクロマトグラフィーという手法で行われ、装置はガスクロマトグラフという。天然精油を正確に分析できるガスクロマトグラフを所有する会社や大学は、ごく少数である。 アロマテラピーに偽和された精油が用いられた場合、純性の精油では見られない反応を引き起こしたり、感作性を高める恐れがあり、治療効果が期待できないだけでなく、100%天然の精油であっても、アレルギー反応等の症状は起こる可能性があり危険性が指摘されている。 精油取引や精油の製造、成分分析に30年以上携わっていたTony Burfieldは、精油の粗悪品に関して生産者と販売者が一方的に悪者扱いされるが、高い品質を求めながら、市場価格を下回る精油を要求しているのは消費者自身である、と指摘している。現在の風潮では、誠実な製造業者・販売業者が生き残ることは不可能に近く、実際その多くが倒産している。現在精油の業界は、巨大で強力な一握りの国際的企業に支配されている。こういった企業のバイヤーはしばしば、不可能なほど安く原料を手に入れようとし、生産者が存続できるだけの利益すら認めようとしないという。 2013年には、精油を商材として国際的に連鎖販売取引(マルチ商法)を展開するアメリカの企業ヤングリヴィング(英語: Young Living)と、同業他社のドテラ(英語: doTerra)との間で訴訟合戦が起こり、その過程でオーガニック・100%天然とされたヤングリヴィングの精油の検査結果が偽装されており、両社で精油に合成物質が添加され偽和されていたことが明らかになった。
※この「精油の偽装とその危険」の解説は、「アロマテラピー」の解説の一部です。
「精油の偽装とその危険」を含む「アロマテラピー」の記事については、「アロマテラピー」の概要を参照ください。
- 精油の偽装とその危険のページへのリンク