管理主義と精神主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/03 01:50 UTC 版)
「青年海外協力隊堕落論」の記事における「管理主義と精神主義」の解説
石橋は、派遣前訓練で協力隊員がJICAの管理主義に隷属していく様子を「訓練所の職員には、隊員候補生のミスを待ち構えているようなところがある。(中略)。任国に派遣されるためには訓練を修了し、隊員候補生から隊員にならなければならない。そのためには訓練所の職員には絶対服従するしかない。職員は候補生を派遣停止にできる」と記述した。石橋によると、訓練所を辞めさせられた隊員の一人は「所長から徹底的にひどいことを言われたうえ、訓練所経費の一部まで返金させられた」という。 AERA誌で青年海外協力隊の管理主義と精神主義を指摘した伊藤雄一郎は、派遣前の訓練所の様子を、元協力隊員の声として「食事のときは5分前に集合。一人でも遅れるとそろうまで全員おあずけ。常に号令をかける。酒は飲んではならない。二人一部屋」「軍隊かと思いました。何から何まで規則ずくめ。三十歳前後の大人を相手に。とことん管理して仲間意識、協力隊イズムを叩き込まれる」と紹介した。 AERA誌では、青年海外協力隊とアメリカ平和部隊との違いについても指摘された。当時、協力隊は派遣前に国内で2ヶ月半の訓練期間があったが、アメリカ平和部隊は選考後すぐに現地に派遣され、現地で3ヶ月のトレーニングが課されていた。「平和部隊の隊員は派遣されても、違うと感じるとさっさと帰国してしまう。一方、協力隊は派遣されたら最後、何があっても2年間務めを果たせ、できなければ恥だという無言の圧力がある」という協力隊員の言葉を紹介した。
※この「管理主義と精神主義」の解説は、「青年海外協力隊堕落論」の解説の一部です。
「管理主義と精神主義」を含む「青年海外協力隊堕落論」の記事については、「青年海外協力隊堕落論」の概要を参照ください。
- 管理主義と精神主義のページへのリンク