第4楽章:祭り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 16:30 UTC 版)
Volksfest 作曲者は大変お祭りが好きだったようで、大阪の天神祭りにもよく行っていたようである。しかし、この曲に描かれているのはそのような大都会の祭りではなく、田舎の農村の秋祭りのようで、素朴な趣がある。曲はA-B-A2-C-A3-B-A4-コーダというロンド風の複合三部形式で、最初Molto vivace 2/4拍子で、ファゴットのリズムに乗ってホルンが浮き浮きと弾むようなリズムの旋律を奏する。さらに長調の別の主題も現れる。この二つをロンド主題と呼ぶことができよう。これが発展してAの部分を終える。Bの部分は非常に抒情的で、独奏ヴァイオリンが活躍する。A2は、素材はAと同じであるが管弦楽法やデュナミークが大きく異なり、非常に異なった印象を与える。Cは物憂げで美しい部分で、アルト・サックスの独奏が極めて効果的に使われ、我々はここに貴志が印象派音楽に傾倒し、ドビュッシーに私淑していたことの影響をみることができる。この部分は、特にフランス音楽の管弦楽法の影響を顕著に認めることのできる部分である。A3の部分は非常に簡素化されている。B2はほぼBと同じである。続いて移行部があり、A4に入る。A4ではロンド主題が華やかに再現され、そのままコーダに入り、華やかに曲を閉じる。
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