第3公式 E-eB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/09 18:36 UTC 版)
第1公式 Af-F は、距離評価のずれがB端で処理される場合であるが、本来、体験空間においてA、Bの位置は絶対的なものではないから、ずれがA端で生じるとしてもよい。かつ、B端には異常がないと想定するなら、この場合、裂隙するのは自我図式 E でなければならず、その方向は、e の背後へ、である。これを E-eB と表記する。当初は「1'―2'効果」と呼んでいた様相に相当する。詳しくは文献を参照のこと。 錯覚運動の法則に関する安永の単脚モデルの、「体が前のめりになる」(ただし、当人は腕の短縮を知らないので、壁に「近づいた」とは思わない) という錯覚に相当する。自分のもとの位置に E を残して e が前のめりになる。 具体的な症状としては、幻聴における言葉の主(ぬし)や「させられ体験」である。「街ですれ違った通行人の、私をののしる声が、頭の中に響く」などの訴え、実際に話をしている当人が「いましゃべっているのは私の声ではありません」と主張する、など。 この、E が e の背後に逸脱する事態は、E が「空間的背方となるのみならず、体験時間的には E が『さき』、E が『因』ということになる配置であるので、体験起点たる e から見れば原点たる自らが、さらに上手の E によって支配、先行されている、という矛盾極まりない感覚を生ずることになる」。または「正常人においては自明に存在する主体性、自由、それに伴う責任……といった問題を底から掘り崩し、見事な位めちゃくちゃにしてしまう構造である」。
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