第1次微小重力科学実験室
宇宙ステーションでの本格的運用に備える
第1次微小重力科学実験室(MSL-1)計画では、スペースシャトル/スペースラブを利用して、宇宙ステーションの初期に予定されている微小重力実験の予備的な実験をおこない、宇宙ステーションJEMでの宇宙実験に備えた技術の開発を目的としています。
微小重力環境のもとでは、地上のように比重差によって軽いものが沈んだり、熱による対流といった現象が起きないため、地上では正確に把握されていなかった物理現象を解明したり、ものの物理的性質などを正確に測定することが可能です。このため、微小重力環境を利用したさまざまな実験をするのです。
大型均熱炉による燃焼・加熱実験
この計画には、NASA、日本の宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))、欧州宇宙機関(ESA)、ドイツ航空宇宙機関(DARA)など5機関が参加しています。宇宙開発事業団は大型均熱炉(LIF)による微小重力環境下での材料実験を行うほか、軌道上で実験するのに必要な支援を地上からおこなえるテレサイエンス運用技術の開発などをします。大型均熱炉を使った実験では、液体金属と合金の拡散や拡散係数の測定、液相焼結などおこないます。第1次微小重力科学実験室(MSL-1)計画は1997年4月に打ち上げられたスペースシャトル・コロンビア号(STS-83)で行われる予定でしたが、燃料電池の不具合により飛行予定が短縮されたため、実施できませんでした。そのため、同年7月に再飛行したコロンビア号(STS-94)で実験が行われました。
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