第五章 群衆
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 14:29 UTC 版)
宮の学年が行く宮城県方面への修学旅行は行く先々で日の丸を手にした群衆に囲まれる。吉彦はそれを見て反戦・反資本主義のデモを思い出すが、その時の恐怖と違う安堵感に、自分が宮を囲む群衆と同じ立場にあり、彼を孤独の人に押し上げている加害者側であると気付き、罪の意識にさいなまれる。宿の食事の際には、地元の良家の子女と噂される娘たちが「徴発」されて給仕をし、船に乗ると「軍艦マーチ」と群衆に見送られ、純朴な若者の船員は全く悪意なく皇太子を乗せたことが一生の思い出になると言う。ホテルへの帰り、一行は群衆の混乱に巻き込まれそうになる。列車に乗る合間も、宮は沿線市長への挨拶に呼ばれる。吉彦は「くだらねえぞお。ちきしょう」と空いた宮の席にどなるが、その声も静寂に飲み込まれてゆく。
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