窓関数の性能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 21:38 UTC 版)
窓関数を使って求めたスペクトル F ( w f ) {\displaystyle {\mathfrak {F}}(wf)} と、本来のスペクトル F f {\displaystyle {\mathfrak {F}}f} は、もちろん同じではない。積のフーリエ変換はフーリエ変換の畳み込み、つまり、 F ( w f ) = F w ∗ F f {\displaystyle {\mathfrak {F}}(wf)={\mathfrak {F}}w*{\mathfrak {F}}f} である。余分な F w {\displaystyle {\mathfrak {F}}w} が畳み込まれることによって、フーリエ変換の結果は変化するが、この変化は望ましいものではない。 一般に F w {\displaystyle {\mathfrak {F}}w} は、中心が絶対値が大きく、両側に離れるにつれ小さくなるが、0になることはない( w ( x ) {\displaystyle w(x)\,} が有限区間外で0ならば、常にそうなる)。ただし、単峰性ではなく、図のように、無数の峰を持つ。各々の峰をローブといい、中央のいちばん大きいローブをメインローブ、他をサイドローブという。このような F w {\displaystyle {\mathfrak {F}}w} が畳み込まれることにより、スペクトルは、ピークがなまり(周波数分解能が下がり)、ノイズ・フロアが上がる(ダイナミック・レンジが狭まる)ことになる。 窓関数には、 メインローブが狭い(周波数分解能が良い) サイドローブが低い(ダイナミックレンジが広い) という2つの特長が要求される。しかし、この2つはトレード・オフの関係にあり、両立させるには限界がある。そのため、ある状況では最適だった窓関数が、別の状況ではそうではないということも起こる。
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