積分への応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:20 UTC 版)
極座標平面での長方形は、直交座標に於ける扇形の一部となる。特に θ の長さが 2π であれば、直交座標においては円の一部となる。r を 0 から +∞ とすれば、この円は直交座標平面全体となる。従って、直交座標平面全体は、極座標平面に於ける長方形、r × θ = [0, ∞) × [0, 2π) に等しい。以上のことは広義二重積分に於いて有用である。なぜなら上記から、 ∫ − ∞ ∞ ∫ − ∞ ∞ f ( x , y ) d x d y = ∫ 0 2 π ∫ 0 ∞ f ( r cos θ , r sin θ ) r d r d θ {\displaystyle \int _{-\infty }^{\infty }\int _{-\infty }^{\infty }f(x,y)dxdy=\int _{0}^{2\pi }\int _{0}^{\infty }f(r\cos \theta ,r\sin \theta )rdrd\theta } が導けるからである。この公式は、例えば次のように用いられる。 ∫ − ∞ ∞ ∫ − ∞ ∞ e − ( x 2 + y 2 ) d x d y = ∫ 0 2 π ∫ 0 ∞ e − r 2 r d r d θ {\displaystyle \int _{-\infty }^{\infty }\int _{-\infty }^{\infty }e^{-(x^{2}+y^{2})}dxdy=\int _{0}^{2\pi }\int _{0}^{\infty }e^{-r^{2}}rdrd\theta } 左辺の積分は、このままの状態で解くのは非常に困難だが、右辺の形にすれば、変数変換 r2 → r' によって、 ∫ 0 2 π ∫ 0 ∞ e − r 2 r d r d θ = 1 2 ∫ 0 2 π ∫ 0 ∞ e − r ′ d r ′ d θ {\displaystyle \int _{0}^{2\pi }\int _{0}^{\infty }e^{-r^{2}}rdrd\theta ={\frac {1}{2}}\int _{0}^{2\pi }\int _{0}^{\infty }e^{-r'}dr'd\theta } とできるから、あとは通常の二重積分の方法に従って簡単に解け、答えは π となる。
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