種類債権の特定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/10 07:05 UTC 版)
種類債権の場合、目的物が滅失・毀損しても(例えば、債務者が債権者に引き渡そうと思っていた馬が死亡した場合)、債務者は他の目的物を調達して債権者に引き渡すべき義務を負う(無限の調達義務)。しかし、いつまでも債務者がこのような義務を負うとすると債務者の責任が過度に重くなるため、一定の時期に、目的物は特定物となることとされている。これを種類債権の特定あるいは種類債権の集中という。 種類債権は、(1)両当事者が合意によってある特定物を選定したときに特定するのは当然であるが、そのほか、(2)債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了したとき、(3)債務者が債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときにも特定する(401条2項)。 特定が生じると、(1)債務者の給付義務が特定(目的物が特定)し、以後、引渡しまで、債務者はその特定物について、善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)(400条)を負う。さらに、(2)危険負担が移転するかには争いがあり、判例・通説は肯定するが、有力学説は危険負担は支配を収めたときから移転するにすぎないとして否定する。
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