税の役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:48 UTC 版)
MMTでは、自国通貨による課税が自国通貨の特権的な需要を生み出すという意味で「税が通貨を駆動する」と主張している。一般的に税は政府支出の財源のためにあると信じられているが、通貨発行権を有する政府は財源のための課税を必要としない。それどころか論理は逆になり、納税者が税を支払うためには政府が財政出動で経済に通貨を供給し、納税者が当該通貨を稼がなければならない。政府が最初に支出し、税の支払いが後になるのが論理的な順序である。したがって、税の役割は財源ではなく、政府が経済に供給した通貨の一部を回収して経済バランスを調整する手段であり、徴収した税はその時点で役割が終了していることになる。 ランダル・レイは税の役割として以下の4つを挙げている。 通貨の需要を促進すること。 インフレと景気を調整すること。 所得の不平等に対処すること。 悪い経済的行動を抑制すること。 MMTは通貨発行による支出に焦点を当てているため、しばしば「無税国家が可能になるのではないか」という疑問をぶつけられる。しかし仮に無税国家を実現しようとした場合には、税による上記の機能が失われるため、MMTは無税国家を肯定していない。
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