神沢利子とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 神沢利子の意味・解説 

かんざわ‐としこ〔かんざは‐〕【神沢利子】


神沢利子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/13 09:01 UTC 版)

神沢 利子 かんざわ としこ
誕生 (1924-01-29) 1924年1月29日(100歳)
日本 福岡県
職業 児童文学作家
言語 日本語
国籍 日本
最終学歴 文化学院文学部
活動期間 1958年 -
ジャンル 児童文学
代表作 『いたずらラッコのロッコ』(1968年)
『くまの子ウーフ』(1969年)
『銀のほのおの国』(1972年)
『そりになったブナの木』(1974年)
『流れのほとり』(1976年)
主な受賞歴 産経児童出版文化賞(1975年)
日本児童文芸家協会賞(1977年)
日本児童文学者協会賞(1979年)
野間児童文芸賞(1979年)
産経児童出版文化賞(1981年、1989年)
産経児童出版文化賞大賞(1990年)
路傍の石文学賞(1996年)
モービル児童文化賞(1996年)
巖谷小波文芸賞(1996年)
小学館児童出版文化賞(2004年)
講談社出版文化賞(2005年)
デビュー作 『タンポポのうた』(1958年)
テンプレートを表示

神沢 利子(かんざわ としこ、本名・古河トシ[1] 1924年1月29日[1] - )は、日本児童文学作家

来歴・人物

福岡県戸畑市に生まれる[2][3][4]。6人兄妹の5番目[2]。炭鉱技師の父親の転勤により、東京北海道樺太へと移り住む[2]。1936年、樺太庁豊原高等女学校に入学[3]。1937年の夏に上京し、自由学園普通科を経て、1940年、文化学院美術部に入学、のちに文学部に転部する[2][3]。1943年、文化学院文学部を卒業する[1]。在学中に佐藤春夫に師事する[4]。1944年に結婚し西宮市に移転[2]。二女を産んだあと、逗子横浜市に移る[2]

1958年、『タンポポのうた』でデビュー。1960年、『ちびっこカムのぼうけん』を雑誌に連載、翌年単行本として出版され、サンケイ児童出版文化賞推薦となる[2]。1965年以降、本格的創作活動に入り、数多くの児童文学作品を刊行する。1975年、『あひるのバーバちゃん』で産経児童出版文化賞、1977年、『流れのほとり』で日本児童文芸家協会賞、1979年、『いないいないばあや』で日本児童文学者協会賞野間児童文芸賞、1981年、『ゆきがくる?』、1989年、『おやすみなさいまたあした』で産経児童出版文化賞、1990年、『タランの白鳥』で産経児童出版文化賞大賞を受賞する。1992年、『おめでとうがいっぱい』で日本童謡賞、1996年、『神沢利子コレクション』に纏められた一連の業績で路傍の石文学賞、モービル児童文化賞、巖谷小波文芸賞を受賞する[1]。2004年、『鹿よ おれの兄弟よ』で小学館児童出版文化賞、2005年、同作で講談社出版文化賞を受賞する。

初期の代表作として『いたずらラッコのロッコ』『くまの子ウーフ』『銀のほのおの国』『そりになったブナの木』などがある。2006年、エッセイ集『同じうたをうたい続けて』を刊行。児童文学界の長老の一人である。

「子どもの本・九条の会」代表団員を務めている[5]

2024年1月に100歳を迎えた[6]

著作

  • 『タンポポのうた』(麦書房) 1958
  • 『ちびっこカムのぼうけん』(山田三郎絵、理論社) 1961、のち角川文庫
1976年に人形アニメとして映画化
  • 『しあわせの花』(丸木俊絵、理論社) 1965
  • 『ヌーチェのぼうけん』(赤羽末吉絵、理論社) 1966
  • 『ふしぎなこもりうた』(瀬川康男絵、小峰書店) 1966
  • 『なしとりきょうだい』(ポプラ社) 1967
  • 『つるにょうぼう』(井口文秀絵、ポプラ社) 1967
  • シューベルト』(国土社) 1968
  • 『フライパンが空をとんだら』(大日本図書) 1968
  • 『ふらいぱんじいさん』(堀内誠一絵、あかね書房) 1969 - ミリオンセラー
  • 『おばあさんのスプーン』(富山妙子絵、福音館書店) 1969
  • 『それからくまさん』(小峰書店) 1969
  • 『うさぎのモコ』(新日本出版社) 1970
  • 『はらぺこおなべ』(あかね書房) 1970
  • 『ヌーチェの水おけ』(ポプラ社) 1970
  • 『はねるのだいすき』(偕成社) 1970
  • 『はけたよはけたよ』(にしまきかよこ絵、偕成社) 1970
  • 『こぶたのブウタ』(神沢利子絵、理論社) 1971
  • 『おばあさんだいすき』(ポプラ社) 1971
  • 『雪の絵本』(三笠書房) 1971、のち講談社文庫
  • 『銀のほのおの国』(堀内誠一画、福音館書店) 1972、のち講談社文庫、福音館文庫
  • 『ねずみのはととりかえっこ』(国土社) 1972
  • 『むぎわらのうた』(実業之日本社) 1972、のちフォア文庫
  • 『雲のさぶろう』(文研出版) 1973
  • 『パパがくまになるとき』(岩村和朗画、あかね書房) 1973
  • 『マナちゃんとくまとりんごの木』(金の星社) 1973
  • 『そりになったブナの木』(国土社) 1974
  • 『はらぺこたまごがさらわれた』(長新太絵、学習研究社) 1974
  • 『ねこのかいぎ』(日本放送出版協会、NHKおはなしシリーズ) 1974
  • 「ちちとぴぴのりょこう」(教育出版、国語教科書 昭和49年度 小学1年生) 1974[7]
  • 『おかしなまいご』(太平出版社) 1975
  • 『うたうすいか』(ポプラ社) 1975
  • 『ぽっぷのしっぽ』(偕成社) 1975
  • 『いたずらタンタのアルバイト』(小学館) 1976
  • 『流れのほとり』(瀬川康男絵、福音館書店) 1976、のち福音館文庫
  • 『大きなけやき』(国土社) 1976
  • 『ちびのめんどり』(佐野洋子絵、講談社の幼年創作童話)1976
  • 『あたしのあかいうま』(文研出版) 1977
  • 『キミちゃんとかっぱのはなし』(田畑精一絵、ポプラ社) 1977
  • 『チコとゆきのあひる』(ポプラ社) 1977
  • 『め・め・めみつけた』(小学館) 1977
  • 『こねこのルナ』(ポプラ社) 1978
  • 『うみからきた子』(PHP研究所) 1978
  • 『ぼうしぼうしぼうし』(佼成出版社) 1978
  • 『いないいないの国へ』(斎藤真一絵、童心社) 1978
  • 『いないいないばあや』(平山英三絵、岩波書店) 1978、のち岩波少年文庫
  • 『こねこちゃんはどこへ』(福音館書店) 1978
  • 『林檎の木のうた』(大島哲以絵、童心社) 1979
  • 『きねことねねことくもねこちゃん』(サンリード) 1979
  • 『お月さん舟でおでかけなされ』(赤松末吉絵、童心社) 1980
  • 『のはらのひなまつり』(金の星社) 1980
  • 『ぽとんぽとんはなんのおと』(平山英三絵、福音館書店) 1980
  • 『とんでったとんでった』(PHP研究所) 1981
  • 『ぼくのぱん わたしのぱん』(林明子絵、福音館書店、かがくのとも傑作集) 1981
  • 『スプーンのくにのこびとのプン』(小学館) 1981
  • 『あなじゃくしのおたまちゃん』(佐野洋子絵、サンリード) 1981
  • 『わたしのおうち』(あかね書房) 1982
  • 『こぶたにまたがりかいぞくじまへ』(宮本忠夫絵、小学館) 1982
  • 『とんでいったおなべ』(ひさかたチャイルド) 1982
  • 『かえるのグルちゃん』(佼成出版社) 1982
  • 『ねこのかいぎ』(西川おさむ絵、ポプラ社文庫) 1982
  • 『タンタとペタコと海のともだち』(理論社) 1983
  • 『うすむらさきの花の下は?』(大日本図書) 1983
  • 『ゆうくんとぼうし』(サンリード) 1983
  • 『かくれんぼ』(偕成社) 1983
  • 『おべんとうを たべたのだあれ』(柿本幸造絵、ひさかたチャイルド) 1983
  • 『うさぎのギイ』(ポプラ社) 1984
  • 『おめんかぶってのはらをゆけば』(和歌山静子絵、学習研究社) 1984
  • 『かなちゃんゆーらりゆーらりこ』(偕成社) 1984
  • 『もじゃもじゃあたまのナナちゃん』(西巻茅子絵、偕成社) 1985
  • 『空色のたまご』(東逸子絵、偕成社) 1985
  • 『いってらっしゃーいいってきまーす』(林明子絵、福音館書店) 1985
  • 『てんのくぎをうちにいったはりっこ』(堀内誠一絵、福音館書店、こどものとも) 1985
  • 『なきうさぎのナッコ』(童話屋) 1986
  • 『えぞまつ』(福音館書店、かがくのとも傑作集) 1986
  • 『あらどこだ』(国土社、しのえほん) 1987
  • 『たまごのあかちゃん』(やぎゅうげんいちろう絵、福音館書店、年少版・こどものとも) 1987
  • 『ぞうの子バーブ』(新学社) 1988
  • 『おやすみなさいまたあした』(のら書店) 1988
  • 『タランの白鳥』(大島哲以絵、福音館書店) 1989、のち文庫
  • 『おめでとうがいっぱい』(西巻茅子絵、のら書店) 1991
  • 『ねこちゃん』(ポプラ社、神沢利子・和歌山静子の絵本1) 1991
  • 『たぬきのたんちゃん』(ポプラ社、神沢利子・和歌山静子の絵本2) 1991
  • 『となりのモリタ』(片山健絵、クレヨンハウス) 1993
  • 『やさい町どんどん』(スズキコージ絵、福音館書店) 1994
  • 『くまのこまこちゃん』(のら書店) 1994
  • 『こねこちゃんは どこへ』(長新太絵、架空社) 1994
  • 『おっとせいおんど』(あべ弘士絵、福音館書店、<こどものとも>傑作集) 1995
  • 『まこちゃんともりのおくりもの』(片山健絵、のら書店) 1996
  • 『神話とのつながり 175篇のメッセージ』(鶴見俊輔, 西成彦共著、熊本子どもの本の研究会) 1997
  • 『おばあさんになるなんて』(晶文社) 1999
  • 『あの木あの花ゆめの種子』(フレーベル館) 1999
  • 『もりへいったすとーぶ』(片山健絵、ビリケン出版) 1999
  • 『いいことってどんなこと』(片山健絵、福音館書店、<こどものとも>傑作集) 2001
  • 『ここよここよ』(福音館書店) 2003
  • 『てんのくぎをうちにいったはりっこ』(堀内誠一絵、福音館書店、<こどものとも>傑作集) 2003
  • 『まおちゃんのうまれたひ』(加藤チヤコ絵、のら書店) 2003
  • 『天の橇がゆく』(宇野亜喜良絵、福音館書店) 2003
  • 『鹿よおれの兄弟よ』(G・D・ハヴリーシン絵、福音館書店) 2004
  • 『ゴリラのりらちゃん』(あべ弘士絵、ポプラ社) 2005
  • 『同じうたをうたい続けて』(晶文社) 2006
  • 『立たされた日の手紙』(宇野亜喜良絵、理論社) 2008
  • 『ブンブン ガタガタ ドンドンドン』(田畑精一絵、のら書店) 2009
  • 『ゴリラのごるちゃん』(あべ弘士絵、ポプラ社) 2010
  • 『TOSHIKOらくがき帳』(絵と文も神沢利子、ぶんしん出版) 2011
  • 『句集 冬銀河』(絵本屋こども富貴堂) 2023

「いたずらラッコのロッコ」

  • 『いたずらラッコのロッコ』(長新太絵、あかね書房、日本の創作児童文学選) 1968、のち講談社文庫
  • 『いたずらラッコとおなべのほし』(あかね書房、あかね創作えほん 17) 1973

「くまのこウーフ」

  • くまの子ウーフ』(井上洋介絵、ポプラ社) 1969、のち講談社文庫
  • 『続・くまの子ウーフ』 (ポプラ社、こども童話館9) 1984
  • 『くまの子ウーフ』(ポプラ社、くまのこウーフの童話集1)
  • 『こんにちはウーフ』(ポプラ社、くまのこウーフの童話集2):上掲『続・くまの子ウーフ』の改題
  • 『ウーフとツネタとミミちゃんと』(ポプラ社、くまのこウーフの童話集3)
  • 『さかなには なぜしたがない』(ポプラ社、くまの子ウーフのおはなし 1)
  • 『おかあさん おめでとう』(ポプラ社、くまの子ウーフのおはなし 2)
  • 『ウーフとツネタとミミちゃんと』(ポプラ社、くまの子ウーフのおはなし 3)
  • 『おひさま はだかんぼ』(ポプラ社、くまの子ウーフのおはなし 4)
  • 『ぴかぴかのウーフ』(ポプラ社、くまの子ウーフのおはなし 5)
  • 『おかあさんおめでとう』 (ポプラ社、くまの子ウーフの絵本 1)
  • 『さかなにはなぜしたがない』 (ポプラ社、くまの子ウーフの絵本 2)
  • 『ぶつぶついうのだあれ』 (ポプラ社、くまの子ウーフの絵本 3)
  • 『お月さんはきつねがすき』 (ポプラ社、くまの子ウーフの絵本 4)
  • 『お日さまは はだかんぼ』(ポプラ社、くまの子ウーフの絵本 5)
  • 『くまの子ウーフのかいすいよく』(ポプラ社、くまの子ウーフの絵本 6)
  • 『あかいそりにのったウーフ』(ポプラ社、くまの子ウーフの絵本 7)
  • 『まいごのまいごのフーとクー』(ポプラ社、くまの子ウーフの絵本 8)
  • 『ウーフはあかちゃんみつけたよ』(ポプラ社、くまの子ウーフの絵本 9)
  • 『ぴかぴかのウーフ』(ポプラ社、くまの子ウーフの絵本 10)
  • 『くまの子ウーフ ゆきのあさ』 (ポプラ社、絵本のひろば 10) 1975
  • 『くまの子ウーフ ミミちゃんといっしょ』 (ポプラ社、ポプラ社の小さな童話 79)
  • 『くまの子ウーフ ミミちゃんのみみ (ポプラ社、ポプラ社の小さな童話 90)
  • 『くまの子ウーフ おつかいかぞえうた』 (ポプラ社、ポプラ社の小さな童話 100)
  • 『くまの子ウーフのたからもの』(広瀬弦絵、ポプラ社、ポプラ社の絵本) 2022

「あひるのバーバちゃん」シリーズ

  • 『あひるのバーバちゃん』(山脇百合子絵、偕成社) 1974
  • 『バーバちゃんのおみまい』(山脇百合子絵、偕成社) 1975
  • 『バーバちゃんと とんできたぼうし』(山脇百合子絵、偕成社) 1978
  • 『バーバちゃんのおきゃくさま』(山脇百合子絵、偕成社) 1980

「うさぎのモコのおはなし」

  • 『つかまらないつかまらない』(渡辺洋二絵、 新日本出版社、うさぎのモコのおはなし1) 1992
  • 『とっくたっくとっくたっく』 (渡辺洋二絵、新日本出版社、うさぎのモコのおはなし2) 1993
  • 『うさぎのたまごは夕やけいろ』 (渡辺洋二絵、新日本出版社、うさぎのモコのおはなし3) 1993
  • 『いちごがうれた』 (渡辺洋二絵、新日本出版社、うさぎのモコのおはなし4) 1994

「神沢利子コレクション」

  • 「神沢利子コレクション」全5巻(あかね書房) 1994
    1. 『毛皮をきたともだち』
    2. 『とおくへ!』
    3. 『おなべの星と天のくぎ』
    4. 『おはなしバスケット』
    5. 『空色のたまごは』

作詞

脚注

  1. ^ a b c d 日外アソシエーツ 2004.
  2. ^ a b c d e f g 『児童文学事典』電子版. 2022年6月23日閲覧
  3. ^ a b c 松田司郎『ページのなかの子どもたち - 児童文学論集Ⅰ 作家編』 五柳書院、1988年、98頁
  4. ^ a b 日本ビジュアル著作権協会. “会員プロフィール(神沢 利子)”. 2015年9月27日閲覧。[リンク切れ]
  5. ^ 子どもの本・九条の会[リンク切れ]
  6. ^ 児童文学作家の神沢利子さん 100歳を記念し直筆原稿公開 三鷹で18日から:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web (2024年1月8日). 2024年4月18日閲覧。
  7. ^ 過去の教科書 - 教育出版”. www.kyoiku-shuppan.co.jp. 2023年7月24日閲覧。

参考文献

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「神沢利子」の関連用語

神沢利子のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



神沢利子のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの神沢利子 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS