磁気的に秩序化した状態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 03:12 UTC 版)
「物質の状態」の記事における「磁気的に秩序化した状態」の解説
遷移金属の原子は非共有電子対の電子のスピンのためにしばしば磁気モーメントを持つ。ある種の固体では、異なる原子の磁気モーメントが揃うことによって強磁性を作ったり反強磁性を作ったりする。例えば鉄のような強磁性体では、磁性ドメインの中の原子の磁気モーメントは同じ方向に配向している。ドメインごとの配向も揃っている場合、外部の磁場が存在しなくても磁石の性質を示す永久磁石となる。磁化は、磁石がキュリー温度(鉄の場合、768度)まで熱せられると消失する。 反強磁性体は、同じ強さで反対向きの2つの磁気モーメントを持ち、互いに打ち消しあっている。例えば、酸化ニッケル(II)ではニッケル原子のちょうど半分ずつが反対向きの磁気モーメントを持っている。 フェリ磁性では、反対向きの2つの磁気モーメントを持つが、それらの強さが異なるために完全には打ち消しあわず、全体として磁性を持つ。例としては、異なった強さの磁気モーメントを持つFe2+イオンとFe3+イオンを含む磁鉄鉱がある。
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