磁気記録媒体の消磁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/16 08:36 UTC 版)
(コンピュータなどの)データは、磁区(en:magnetic domain)と呼ばれる非常に小さな領域に対して磁気の配列を変えることで磁場の向きを変化させるという方法でハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープなどの磁気メディアに記録される。この現象は方位磁針の針が地磁気の向きを示すのとほぼ同じ方法で起こる。消磁は特に決まった方向を持たないランダムなパターンを磁区に残し、結果としてデータを修復できない状態にする。いくつかの磁区は消磁をしたあとでも磁気の配列がランダム化されない。これは残留磁化によるものなので、こういった磁区が持っている情報を残留磁気(en:magnetic remanence)と呼ぶ。適切な消磁を行うことで、データを再構築できないような小さい残留磁気しか残さなくすることが可能である。 消磁によるデータ消去には2つの方法がある。1つは交流による消磁であり、メディアは交流磁場を受けることで最初持っていた高い磁場から時間をかけてその強さを減少させられていく。もう一つは直流による消磁であり、メディアは永久磁石からの直流磁場を受けることで磁区の磁気配列を飽和させられる。磁気メディアの消磁を行うために磁場を発生させる装置が消磁器である。
※この「磁気記録媒体の消磁」の解説は、「消磁」の解説の一部です。
「磁気記録媒体の消磁」を含む「消磁」の記事については、「消磁」の概要を参照ください。
- 磁気記録媒体の消磁のページへのリンク