真正細菌遺伝子発現の実際
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 20:40 UTC 版)
「遺伝子発現」の記事における「真正細菌遺伝子発現の実際」の解説
以上、真正細菌、特に大腸菌の遺伝子発現までが筆記してあるが、転写、翻訳はほとんど同時に起こっていると考えてよい。真正細菌は核膜を持たず、遺伝子転写の場と、翻訳の場が真核生物のように分けられるということは無い。 大腸菌のゲノムDNAから転写が行なわれているmRNAは、伸長中に5'側の塩基がリボソームで翻訳されていっている。真正細菌のmRNAは一切修飾を受け無いために、リボソームから合成されたポリペプチドはゲノムDNAの遺伝子の配列そのままのアミノ酸配列を持っている。 このRNAポリメラーゼとリボソームの共役した反応こそが、真正細菌における遺伝子発現の実際といってよい。教科書などに掲載されている、遺伝暗号表は大腸菌を基準としたものであり(正確には、大腸菌の無細胞発現系を用いている)、他の生物や異なる遺伝子では、コドンとアミノ酸の対応が異なっていることもある。例えば、一般にAGAはアルギニンのコドンだが、脊椎動物のミトコンドリアでは終止コドンとなっている。
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