白とびと黒つぶれ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 13:53 UTC 版)
また非常に明暗の差のある被写体のもとで、強い光のあたっている部分(ハイライト)が極端に露出オーバーとなり諧調(グラデーション)の情報を失って真っ白になることを白とび(英:blown-out highlightsやflared highlightsまたはclipped whites)という。また同様に光が不十分な部分(シャドー)が極端に露出アンダーとなり諧調を失って真っ黒になることを黒つぶれ(英:blocked up shadowsまたはclipped blacksなど)という。一般的なデジタルカメラの場合、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色について、それぞれ256段の階調の組み合わせで色や明るさを表現するが、三色ですべて255を超える明るさになると白とびが起こる。また、3色で0を下回ると黒つぶれを起こす。白とび、黒つぶれが起きても撮影後にレタッチでいずれも回復することができるが、極端な白とび、黒つぶれは修復ができない。 特定のフィルムや撮像素子において、白とびと黒つぶれが起こる限界の露出の幅の大きさをラティチュードあるいはダイナミックレンジという(フィルムではラティチュード、デジタルではダイナミックレンジという場合が多い)。ラティチュード、あるいはダイナミックレンジの幅が広いほど白とび・黒つぶれは起こりにくい。 ネガフィルムはダイナミックレンジが広い(10~11EV)。これに比べてリバーサルフィルムやデジタルカメラは狭く(5~6EV)、白とび・黒つぶれを起こしやすい。最近のデジタルカメラの中には、白とびや黒つぶれを警告する機能、あるいはダイナミックレンジを拡大して白とび・黒つぶれを緩和する機能を持つものも現れている。デジタルでは数枚の露出の異なる写真を合成してダイナミックレンジを拡大するHDRという手法も用いられる。通常、ソフトを使ってパソコン上で行うが、カメラ内で自動的に合成する機種も現れている。
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