発生・分化とのかかわり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 09:13 UTC 版)
「エピジェネティクス」の記事における「発生・分化とのかかわり」の解説
多細胞生物の発生において、いくつかの例外を除いてDNA塩基配列自体は変化しないが、細胞は異なる種類へと分化し、環境あるいは細胞間のシグナルに対して異なる反応をする。個体が発生するとき、形態形成因子は、エピジェネティックな方法で細胞に「記憶」を与えながら、遺伝子を活性化あるいは不活性化する。 プラナリアやヒトデ類のように断片から個体を再生できる動物もいる一方で、哺乳類のように分化後の細胞は分化能を失う動物もある。分化能の消失は細胞の経歴を反映したエピジェネティックな変化である。植物は動物と同じようにエピジェネティックなメカニズムを多く利用している。しかし、植物細胞は哺乳類などとは異なり、分化後の組織も全能性を維持している。このことから、ある種の植物細胞は、周囲の環境および位置情報を用いて、それまでの細胞記憶を使わないように切り替えができるという仮説を提示する研究者もいる。 哺乳類の発生に関わるエピジェネティックな機構の代表例として、X染色体の不活性化、ゲノムインプリンティングおよびリプログラミング(初期化・再プログラム)による分化能の再獲得が挙げられる。それらについて以下の副節に解説するが、詳細は各個別記事を参照のこと。
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