病種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 22:55 UTC 版)
小児への肺炎球菌の予防接種は、予防接種を受けていない年下の兄弟でも肺炎球菌感染症の発生数を減少させる。 肺炎球菌とロタウイルスに対する予防接種は、通常これらのワクチンを接種していない年上の小児や成人でも肺炎球菌やロタウイルスの感染を原因とする入院を減少させる効果が示されている。 インフルエンザは若い年齢集団よりも高齢集団でより重症となる傾向があるが、この集団では年齢に伴う免疫系の衰えによってインフルエンザワクチンの効果は失われてゆく。しかし、季節性インフルエンザの予防接種を学齢期の児童に対して優先的に行うことで、高齢者に対してもある程度の保護効果が得られることが示されている。 性感染症に関しては、一方の性に高水準の免疫があれば両方の性に集団免疫がもたらされる。一方の性を対象とした性感染症ワクチンは、対象となる性でのワクチン接種率が高ければ、両性で性感染症が大きく減少する。しかし、女性に対する予防接種による集団免疫の効果がホモセクシュアルの男性にまで及ぶことはない。対象となる性でのワクチン接種率が低い場合、十分な保護効果を得るためには他の性でも免疫付与を行う必要がある。性感染症の根絶を困難にしているのは、高リスクな性行動である。感染の大部分は中程度のリスクの人物で起こるものの、他人への伝染の大部分は高リスクな性行動を行う人物から生じている。これらの理由により、両性の高リスクな人物に対して免疫付与を行うことが集団免疫の確立には必要である。
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