病気のオルガノイドのモデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 14:49 UTC 版)
「オルガノイド」の記事における「病気のオルガノイドのモデル」の解説
オルガノイドは、ヒト疾患の細胞モデルとして、病気の原因の解明や、治療法の研究に使用できる。1つの例では、CRISPRと呼ばれるゲノム編集システムを、ヒト多能性幹細胞に適用して、2つの異なる腎疾患、多嚢胞腎臓病および局所分節性糸球体硬化症に関連する遺伝子をターゲットに突然変異を導入した。これらのCRISPRによる遺伝子改変された多能性幹細胞はその後、疾患に特異的な表現型を示すヒト腎臓オルガノイドを形成した。多嚢胞性腎臓疾患の変異を有する幹細胞由来の腎臓オルガノイドは、腎臓細管からの大きな半透明の嚢胞構造を形成した。局所分節性糸球体硬化症に関連する遺伝子に変異を有する腎臓オルガノイドは、その病気に罹患している濾細胞である足細胞間の接合部欠損を発症した。変異を入れる前の幹細胞からつくった、同じ遺伝的背景の、対照実験となるオルガノイドは、これらの疾患の表現型を示さなかった。これらの実験は、オルガノイドが、ヒトの病気の複雑なモデルとして、実験室での研究に利用できるかを実証するものであり、ペトリ皿で、組織レベルの表現型が再現された。
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