異称と語源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 18:50 UTC 版)
古代中国の宮刑は、腐刑(ふけい)、椓刑(たっけい)、陰刑(いんけい)、または単に宮などと呼ばれた。また、処された者たちが横たわる部屋の様子がカイコを飼う籠に似ていたので、これを蚕室と呼び、宮刑に処することを「蚕室に下す」とも言った。 椓刑の「椓」は削り取る意で、外性器を損壊削除する刑罰の意である。王の後宮で害が働く憂いがないため宮廷や付属する機関で終身にわたって働かせ、このことから「宮刑」といわれた。「腐刑」の語源については多くの説があり、 治癒前の傷口から腐敗臭を発するからという説(生傷悪臭説) 腐った木は芽吹かないことから子孫を作れなくすることを「腐」と称したという説(断種説) 前漢初期の竹簡に「府刑」ともあることから、宮中で労働させる宮刑と同じく「府」(役所)で働かせる刑罰の意味だという説(労働刑説) 排尿時に陰部が尿で濡れるため股間から日常的に発する尿臭のことを「腐」といったという説(尿臭説) 上古音では「腐・府」と「婦」が同音であることから股間の形状を女性のように平坦にする意味という説(女性化説) 外性器を縛って腐らせる事で去勢する方法があったからだという説(手術法説) 「腐」という漢字には「ドロドロに溶けて再び固まる」という意味があり(「豆腐」等)、患部が一度爛れ、再び固まる様を言ったという説(治癒経過説) などがあり、真相は不明である。
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