異年齢との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 15:34 UTC 版)
ミシガン大学のNisbett教授によると、IQの平均は1947年から2002年の間に18上昇しているという。30年で約10上昇している。この現象のことをFlynn effect(フリン効果)と呼ぶ。従って20歳の成人と50歳の成人を同じ知能検査で同じ基準で比較するのは難しい。50歳の成人の30年前に受けた知能検査の平均値は、現在の平均値より10近く低い。スウェーデン・ウメ大学のElijah Armstrongとブリュッセル自由大学のMichael Woodleyによると、一定の出題パターンを見抜く事で容易に解けるようになる問題の方が、パターン把握を認識しにくい問題に比べてフリン効果は顕著だという。 「従来のIQ」の数値は、あくまで知能の発達の早さを意味するものであり、異年齢の他人との数値の単純な比較によって直ちに天才的であるとか成人より高知能であるとかを断定することはできない。例えば、5歳の児童が、10歳の平均的な児童と同じ知能を示せば、IQは200になる。そして、IQ100の11歳児とIQ200の5歳児を比べれば、平均的な児童であるIQ100の11歳児の方が、IQが突出して高いIQ200の5歳児よりも知能は高いことになる。 また、5歳でIQ100の人が7歳になったらIQ90であった場合、一見すると数値が低くなったので知能が退化したかに見えてしまう。しかしながら、5歳時のMAは5歳0ヶ月であり、7歳時のMAは約6歳3ヶ月である。このため実際には知能水準は伸びている。こういったことから、IQよりMAを使用した方が発達度合いが感覚的に分かりやすい場合もある。
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