略号の用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 06:44 UTC 版)
特定の亜種を学名として記述する際は、略号を種形容語(広義)と亜種形容語(広義)の間に置くのが基本形である。 例:Cryptotaenia canadensis subsp. japonica(標準和名〈以下同様〉:ミツバ) 例:Oncorhynchus masou subsp. rhodurus(ビワマス) ただし、動物学では亜種形容語(広義)の後にそれぞれの記載者名を記し、最後にその名の記載年を記すのが最も正確な学名である。 例:Oncorhynchus masou subsp. rhodurus (Jordan et McGregor, 1925)(ビワマス) 一方、植物学では種形容語(広義)の後と亜種形容語(広義)の後にそれぞれの記載者名を記し、最後にその名の記載年を記すのが最も正確な学名である。 例:Cryptotaenia canadensis (L.) DC. subsp. japonica (Hassk.) Hand.-Mazz. (1933)(ミツバ) しかし、それらを全て省略する場合が多い。 例:Homo sapiens idaltu(ホモ・サピエンス・イダルトゥ) 例:Oncorhynchus masou rhodurus(ビワマス) また、種形容語(広義)の後に略号だけを記して亜種形容語(広義)を省略する場合もある。 例:Oncorhynchus masou subsp.(ビワマス) 我々を Homo sapiens sapiens と見なす学説があると上のほうで述べたが、略号を置いた例は目にしない。しかし、他のヒト属の亜種や他の生物の亜種ではその限りでない。ヒト属で言えば、例えば Homo sapiens の別の亜種である可能性に注目されるデニソワ人には「Homo sapiens の、デニソワ由来の亜種(Homo 属の sapiens 種のデニソワ由来亜種)」を意味する暫定的学名 Homo sapiens subsp. 'Denisova' および Homo sapiens ssp. 'Denisova' が与えられ、略号を用いない Homo sapiens Altai のような別の暫定的学名に多くの学術的同意が寄せられない限り用いられ続ける。
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