生酛と山卸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/28 05:37 UTC 版)
山卸(やまおろし)とは、生酛造りの工程の一部で、半切桶(はんぎりおけ)に仕込んだ酒母に荒櫂(あらがい)を入れて摺る作業のことである。この作業は、麹の酵素の作用で蒸米のデンプンが糖化するのを助け、濃醇でキレの良い酒を作る目的で行なわれる。 しかし、昔から「櫂でつぶすな、麹で溶かせ」と言われるように非常にデリケートな力加減を要する高度な技で、しかも寒い冬の深夜に一晩中、丹念に櫂を入れ続けなければならない重労働であったので、昔から蔵人たちに敬遠されてきた。 そのため、この山卸の作業を省略することを前提とする山卸廃止酛(山廃酛)が、1909年(明治42年)に国立醸造試験所で開発された。今日、「山廃づくり」として知られる技法の基礎である。
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