甚吉森 (秋田県・青森県)とは? わかりやすく解説

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甚吉森 (秋田県・青森県)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 16:36 UTC 版)

甚吉森(じんきちもり)は、秋田県大館市青森県平川市大鰐町との境界にあるである。岩木川の最大の支流である平川の源流域にあたる[注 1]


注釈

  1. ^ 平川の源流をどことみるかは資料によって異なっている。『岩木川物語』(1966)では甚吉森を源流としている[1]。このほか、『角川日本地名大辞典2 青森県』(1985)では柴森、国土交通省・青森県の文書では炭塚森(571m)東の坂梨峠に発する遠部沢を「源流」としている[2]
  2. ^ 山地系の呼称や範囲は時代や資料によって異なる。広義の白神山地のうち、岩木川源流の湯ノ沢川より東側を大鰐山地と呼ぶ[4]。資料によっては白神山地の範囲を湯ノ沢川の西側とし(狭義の白神山地)、大鰐山地とは完全に区別するものもある
  3. ^ 国土地理院地図では、同山の付近に、北側の標高704メートル地点と南側の654メートル地点に基準点が記されており、このうち704メートル地点側に山名を記してある。704メートル地点の西640メートルほどの地点に標高665メートルの基準点がある。ここでは『青森県百科事典』に書かれた「665メートル」を採用する。
  4. ^ 一般に、この一帯の山地は第三紀系の泥岩や粘板岩から成っている。これらの基盤は水の浸透を妨げるうえ、この地域は多雪地帯であるので、表土は水を多く含む。これがブナの生育に適している。一方、水が多いことで地すべりも起きやすく、地すべり面には粘土が形成されるためにまた水を浸透させにくくする[5]。学術的には、大鰐山地、白神山地はいずれも出羽山地の一部と位置づけられている。日本列島の形成史から見ると、東北地方を南北に縦断する3本の山塊、すなわち、太平洋側の北上山地、中央部の奥羽山脈、日本海側の出羽山地では、出羽山地は一番新しい。つまり最後に海底が隆起してできたもので、おおよそ第三紀の末頃に隆起を開始し、第四紀に激しく隆起したものである。新しいぶんだけ侵食が全体にはじゅうぶんに進んでおらず、谷は険しい。一帯の山地は、緑色凝灰岩に起因する地すべりが多発することで山体の開析が行われている[6]
  5. ^ 一次支川は平川、二次支川は虹貝川
  6. ^ 一次支川は平川
  7. ^ 一次支川は長木川
  8. ^ このあたりはスギの北限でもある[7]
  9. ^ あとの二つは、南部藩との間にある旧野内村(現・青森市)の野内の関所、久保田藩との間、日本海に面する旧岩崎村(現・深浦町)の大間の関所[9]

出典

  1. ^ 『岩木川物語』p52-57「平川及びその支川」
  2. ^ 『津軽平野と岩木川のあゆみ 岩木川治水史』p43-64
  3. ^ a b c d e f g h i 『青森県百科事典』p460-461「甚吉森」
  4. ^ a b 『青森県百科事典』p156-157「大鰐山地」
  5. ^ 『新日本山岳誌』p140-142「東北地方の山地の自然的特色」
  6. ^ 『日本の地形3 東北』p242-252
  7. ^ 『津軽平野と岩木川のあゆみ 岩木川治水史』p20-24「林相と植生」
  8. ^ 斎藤祐一『碇ケ関村史』、1986年、p.78
  9. ^ 『日本歴史地名大系2 青森県の地名』p412-415「碇ヶ関村」「矢立峠」「碇ヶ関番所跡」


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