現役復帰―晩年
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1981年にトレネは新譜を発表したが、ステージに立つことはなかった。1983年、カナダのジルベール・ロゾンは「さよなら公演」の名目でトレネを招いた。ロゾンはトレネの現役復帰に情熱を傾け、トレネを説得して彼のマネージャーに就く。トレネが本格的に復帰したのは1987年、シャンゼリゼ劇場の公演で、74歳のときである。 1988年、トレネのソロ活動50年を記念して、12月17日から31日にかけ、シャトレ座で11回のリサイタルを催す。翌1989年には、ニューヨーク、ロンドン、モントリオール、東京各地で公演する。パリに戻ると、10月17日から1ヵ月間にわたってパレ・デ・コングレでのリサイタルに出演した。 1992年には8年ぶりのニュー・アルバムを発表した。このころトレネは自らを25歳と称し、「アーティストがステージを降りるのは、観客に見放されたときである」と語った。 1999年11月、サル・プレイエルでの公演がトレネ最後のコンサートとなった。その後、トレネは脳梗塞の発作を起こして倒れ、いったんは回復したものの、歩行障害が残った。トレネは、コンサート数日前に次のように語ったという。「私のショーに来ていただいたみなさんは、私の葬儀に欠席してもよろしいですよ」。 2000年10月25日にシャルル・アズナブールのコンサート・プレミアに出席したのが、トレネが公の場に姿を見せた最後となり、2001年2月19日、脳卒中のため87歳で没した。
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