特殊学級から特別支援教室へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 05:32 UTC 版)
「特別支援教育」の記事における「特殊学級から特別支援教室へ」の解説
2005年12月にまとめられた「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」の答申では、これまでの特殊学級にかわって、特別支援教室という新しい制度を提唱した(外部リンク参照)。従来の障害児教育を支えてきた学校教育法第75条に規定する障害児学級(法制上は「特殊学級」)と、学校教育法施行規則第73条に規定する通級制とを一本化し、「特別支援教室」とする方向が示されたが、従来の知的障害学級、情緒障害学級、難聴学級、弱視学級、病弱学級、肢体不自由学級といった特殊学級の機能を維持すべきとの意見があることにも触れている。 このため2006年6月に成立した改正学校教育法では特殊学級を特別支援学級に名称変更することとし、在籍一元化は先送りされた。しかし、参議院の附帯決議では「特別支援教室にできるだけ早く移行するよう十分に検討を行うこと」と宿題を残している。 特別支援教室では、これまで通常学級に在籍していて、支援の対象とされなかったLD、ADHD、高機能自閉症等が対象に含まれ、特別な支援を受けることが予定されていた。そのためにこれまで存在していた上記の学校教育法第75条の特殊学級も廃止され、その対象となっていた子供たちも特別支援教室での取り出し指導の対象となると想定されていた。 特殊学級や通級として存在していた障害児学級などが無くなることは実質的には人員削減となるのではないか、その上に新たにLDや吃音症等の子供たちへの専門的な支援や指導が可能なのか不安の声があがっている。文部科学省はLD、ADHD等の子供の通常学級での存在が全児童生徒の6.3%(吃音児は1.2%) と指摘しており、500人規模の学校で30人は存在することになり、現在の障害児学級に在籍する児童生徒を合わせて特別支援教育の対象とするとしている。 文部科学省は2006年、省内に「特別支援教室」に関する研究会を3年計画で立ち上げ、財務課も入ってモデル事業を展開している。人的資源を確保しながら、特別支援教室の理念に近づけられるのか、親の会など関連団体は注視している。
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