物理的特性・原子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 10:26 UTC 版)
ボーリウムは通常の条件下では固体であると予想され、より軽い同族体であるレニウムと同様に六方最密結晶構造(c/a = 1.62)と予想されている。密度が約37.1 g/cm3の非常に重い金属であると考えられ、これは118の既知の元素の中で3番目に高く、上にはマイトネリウム (37.4 g/cm3) とハッシウム (41 g/cm3)があり、この2つは周期表でボーリウムの次2つの元素である。比較すると、密度が測定された元素の中で最も密度の高い既知の元素であるオスミウムの密度はわずか22.61 g/cm3である。これはボーリウムの高い原子量、ランタノイドとアクチノイドの収縮、および相対論効果によるものであるが、この量を測定するのに十分なボーリウムを生産することは現実的ではなく、試料はすぐに崩壊するであろう。 原子半径は約128 pmと予想されている。7s軌道の相対論的安定化と6d軌道の不安定化により、Bh+イオンは[Rn] 5f14 6d4 7s2の電子配置を持つと予測され、7s電子ではなく6d電子を放出する。これはより軽い同族体であるマンガンとテクネチウムの挙動と反対である。一方でレニウムは同族体のボーリウムと同じく6s電子を放出する前に5d電子を放出する。これは相対論効果が第6周期までに大きくなるためであり、金の黄色や水銀の低い融点の原因でもある。Bh2+イオンの電子配置は[Rn] 5f14 6d3 7s2であると予想される。これに対してRe2+イオンは[Xe] 4f14 5d5という電子配置であることが予想され、この場合はマンガンやテクネチウムに類似している。6配位で7価のボーリウムのイオン半径は58 pmと予想される(7価のマンガン、テクネチウム、レニウムはそれぞれ46, 57, 53 pmである)。5価のボーリウムは83 pmと大きいイオン半径であると考えられている。
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