物理的特性と安定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/24 03:41 UTC 版)
アノマーは構造的に異なっている、したがって異なる安定化および不安定化効果をそれぞれ有している。安定性に寄与する主要な要因は、 アノマー効果(安定化) 電子求引性基(通常酸素あるいは窒素原子)が環のアキシアル配置にあるアノマーを安定化させる。この効果は水のような極性溶媒中ではなくなる。 1,3-ジアキシアル相互作用(不安定化) 通常アノマー基が環のアキシアル配置にあるアノマーを不安定化させる。この効果はピラノースおよびその他の六員環化合物において特に重要である。この作用は水中での主要な要素である。 水素結合 アノマー基と環内のその他の官能基との水素結合はアノマーを安定化させる。 双極子反発 アノマー基と環内のその他の官能基との双極子反発はアノマーを不安定化させる。 D-グルコピラノシドでは、βアノマーがより安定なアノマーである。この場合の主要な効果は、1,3-ジアキシアル相互作用の欠如である。D-マンノピラノースでは、アノマーヒドロキシル基と環内の隣りの炭素上のヒドロキシル基との双極子反発を避けるためにαアノマーがより安定なノマーである。 アノマーは互いにジアステレオマーであるため、これらの物理的および化学的特性はしばしば異なっている。アノマーの研究で使用される最も重要な物理的特性の一つは比旋光度である。
※この「物理的特性と安定性」の解説は、「アノマー」の解説の一部です。
「物理的特性と安定性」を含む「アノマー」の記事については、「アノマー」の概要を参照ください。
- 物理的特性と安定性のページへのリンク