物理的背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/21 15:19 UTC 版)
光は物質に生じる双極子の振動により発生する。物質に電場Eを与えると、電場の大きさによって、次の展開式で現わされるような電気分極Pを持った双極子が発生する。 P = χ ( 1 ) E + χ ( 2 ) E 2 + χ ( 3 ) E 3 + ⋯ ( 1 ) {\displaystyle P=\chi ^{(1)}E+\chi ^{(2)}E^{2}+\chi ^{(3)}E^{3}+\cdots \qquad (1)} ここでχ(n)はn次の電気感受率である。物質に光を照射すると物質には以下のような電場Eがかかることになる(ここでは、位相はおいておく)。 E = E 0 cos ω t {\displaystyle E=E_{0}\cos \omega t\,} ここで、ωは周波数(∝光のエネルギー)。式(1)の二次の項を考えれば、 P ( 2 ) = χ ( 2 ) E 2 = χ ( 2 ) E 0 2 cos 2 ω t = 1 2 χ ( 2 ) E 0 2 ( 1 + cos 2 ω t ) {\displaystyle P^{\left(2\right)}=\chi ^{(2)}E^{2}=\chi ^{(2)}E_{0}^{2}\cos ^{2}\omega t={\frac {1}{2}}\chi ^{(2)}E_{0}^{2}\left(1+\cos 2\omega t\right)} ここに見られるように、χ(2) ≠ 0である媒質においては照射した光の2倍の周波数で振動する双極子がE0²に比例した大きさで発生する。つまり、これは、照射した光の2倍の周波数の光が発生することを意味する。等方性の媒体(例えば気体や対称軸をもつ結晶)では、χ(2) = 0であるため二次高調波発生はおこらない(ただし、三次高調波発生は起こりうる)。
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