イデアル (環論)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/30 07:27 UTC 版)
抽象代数学の分野である環論におけるイデアル(英: ideal, 独: Ideal)は環の特別な部分集合である。整数全体の成す環における、偶数全体の成す集合や 3 の倍数全体の成す集合などの持つ性質を一般化したもので、その部分集合に属する任意の元の和と差に関して閉じていて、なおかつ環の任意の元を掛けることについても閉じている空でない部分集合をイデアルという。
注釈
- ^ ここで述べる通説には細部において批判的意見も提出されているが、それについては適宜脚注にて記載する。理想数も参照のこと。
- ^ クンマーの主な動機は高次相互法則であり、フェルマーの最終定理ではなかった、という指摘がある。Harold M. Edwards, Fermat's Last Theorem: A Genetic Introduction to Algebraic Number Theory, p. 79, - Google ブックス
- ^ クンマーの論文は「理想数」を「イデアル」に置き換えることで容易に読むことができる、という主張もある。Lemmermeyer, Franz (2011). "Jacobi and Kummer's Ideal Numbers". p. 2. arXiv:1108.6066。また、アンドレ・ヴェイユによれば、クンマーの論文は驚くほど間違いが少ない。Mazur, Barry (1977). page = 980 “Review: André Weil, Ernst Edward Kummer, Collected Papers”. Bulletin of the American Mathematical Society 83 (5): 976–988 .
出典
- ^ Lang 2005, Section III.2
- ^ 可換単純環は体である。See Lam (2001), p. 39.
- ^ 高木 1931, pp. 321-323.
- ^ a b 高木 1931, p. 323.
- ^ The Story of Algebraic Numbers in the First Half of the 20th Century: From Hilbert to Tate, p. 43, - Google ブックス
- ^ Dirichlet; Dedekind (1871). Vorlesungen über Zahlentheorie (2 ed.). p. 452
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