無機物過剰への耐性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/25 07:58 UTC 版)
アポプラストはアルミニウム毒性の耐性に重要である。アルミニウム耐性は一般にアポプラスト内のアルミニウムを減少または不活性化する。一般的には耐性はカチオン交換容量の低下、根表面の負電荷の抑制、あるいはアルミニウムキレート剤による根滲出液への排出の促進によってなされる。 アポプラストは植物のマンガン過剰の耐性に決定的に重要である。マンガンは細胞壁を越えてシンプラスト液に侵入すると毒性を生ずる。キュウリCucumis sativus L.は、マンガン結合性のケイ酸の細胞壁への導入などでマンガンを細胞壁に結合させてアポプラストに留めることでマンガン耐性を獲得する。このため、キュウリ個体によるケイ酸ナトリウムの取り込みはマンガン耐性を向上させる。ササゲVigna unguiculataでも細胞壁中のケイ素がマンガン耐性を向上させることが実証されている。 アポプラスト液中の水溶性マンガンはアポプラストの過酸化酵素を刺激し、マンガン毒性を発生させる。刺激されたNADH過酸化酵素は過酸化水素の生成を促進させる。マンガン感受性品種では耐性品種と異なり、アポプラスト液の水溶性マンガン濃度が高くなるとNADH過酸化酵素とグアイアコール過酸化酵素の活性が高くなる。細胞壁のケイ素によるマンガンの捕捉での可溶性マンガン濃度の減少はマンガン耐性を向上させる。
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