滑り予測モデルとの比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 14:36 UTC 版)
「時間予測モデル」の記事における「滑り予測モデルとの比較」の解説
時間予測モデルは地震による変位量と次回の地震までの回復時間が比例するというモデルであり、これに相対する「滑り予測モデル(slip predictable model)」は前回の地震からの歪蓄積時間と地震による変位量が比例するモデルである。しかしどちらのモデルも不完全であることは明白であるとされる。 多くの断層は弱いながらも時間予測モデルに従う傾向があり、1977年に島崎邦彦は南海トラフ沿いの地震についても時間予測モデルが適用できるのではないかと考えた。 時間予測モデルを適用することについて以下の問題点が指摘されている。 南海トラフ沿いの巨大地震の震源域に多様性が認められるにもかかわらず室津港の隆起のみで評価できるか。 隆起量がそれを回復する時間に比例するならば、平常時の室津港の沈降速度は13mm/年となるが、水準測量による沈降速度5-7mm/年と大きく異なる。 島崎邦彦が時間予測モデルが適用できると挙げている地震は昭和南海地震の他、宝永と安政の2つの地震のみである。白鳳地震以降から適用するなら時間予測モデルは成立していないとの指摘もある。 また、南海トラフの地震が他の地震に誘発される場合があるならば、発生時期が誘発で拘束されるため時間予測モデルは成立しない。
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