渦動説の評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 14:43 UTC 版)
渦動説は中世ヨーロッパに大きな影響力をもっていたアリストテレスの自然学をそのまま受け継いだものであり、真空の否定もアリストテレスの考えからきている。その意味で当時の正統理論であった。デカルト派は、遠隔作用説をとるニュートンの万有引力をスコラ学での「隠された性質(occult quality)」への逆行とみなし、「オカルトフォース」と呼んで批判した。 19世紀から20世紀にかけてニュートン力学が受容されてゆく過程で、『プリンキピア』の説と対立すると見なされた渦動説は、荒唐無稽の説のように書きたてられ、現在でもしばしば初学者などはそのようなイメージを持ってしまっている。ニュートン自身は、後に重力というのはエーテルの流れが引き起こしているのかも知れない、とも考察した。また20世紀になりアインシュタインによって一般相対性理論が提唱されたが、これはある意味で近接作用論が復興したような面も備えている。 この説が生まれたきっかけとして、デカルトはオランダという運河が多い土地で暮らしていた時期もあったので、その水面を見る日々がこの説の発想へとつながったのかも知れない、と推察した学者もいる。
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