渡前村とは? わかりやすく解説

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渡前村

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/27 16:35 UTC 版)

わたまえむら
渡前村
廃止日 1955年1月10日
廃止理由 編入合併
藤島町、渡前村藤島町
現在の自治体 鶴岡市
廃止時点のデータ
日本
地方 東北地方
都道府県 山形県
東田川郡
市町村コード なし(導入前に廃止)
面積 13.70 km2.
総人口 4,298
国勢調査、1950年)
隣接自治体 鶴岡市
東田川郡藤島町、三川村泉村広瀬村
渡前村役場
所在地 山形県東田川郡渡前村
座標 北緯38度45分11秒 東経139度53分13秒 / 北緯38.753023度 東経139.886863度 / 38.753023; 139.886863座標: 北緯38度45分11秒 東経139度53分13秒 / 北緯38.753023度 東経139.886863度 / 38.753023; 139.886863
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渡前村(わたまえむら)は山形県東田川郡にあった。現在の鶴岡市北東部、藤島川左岸、羽越本線藤島駅の南方一帯にあたる。

地理

  • 河川:藤島川

隣接していた自治体

横山村(1955年1月1日から三川村)・八栄島村(1954年11月30日まで)・藤島町泉村広瀬村

歴史

村名の由来

『藤島町史 上巻』154頁では、郡府へる川のの村であったことから名前が付いたと推測している。

昭和の大合併

昭和の大合併では、主に北部では藤島町への合併を、南部では鶴岡市への合併を望んでいた[1]。1954年(昭和29年)8月に実施された世論調査では、鶴岡市への合併希望が56.3 %、藤島町への合併希望が39.7 %、「わからない」・白紙が4.0 %となった[2]。1954年12月1日、当村を除いた藤島町・東栄村長沼村八栄島村が合併し、結論を先延ばしにすることは混乱の原因になることから、将来的に藤島町から鶴岡市へ分町することを検討した上で、1955年(昭和30年)1月10日に藤島町へ編入した[3]。なお、藤島町に編入後、鶴岡市への分町は行われないまま、議論は1957年(昭和32年)12月に終了した[4]。(藤島町編入後の詳細は藤島町#昭和の大合併を参照のこと。)

年表

地名

小字の出典は『山形県地名録』247-248頁による。

大字渡前
小字:渡前(わたまえ)・太田・大坪・上沖・下沖・上伝田・上谷地・下谷地・東谷地・北谷地・新山越・砂畑・仙北田・ 泥障沼 どろさわりぬま
大字荒俣
小字:荒俣・上荒俣・中荒俣・下荒俣・沖田・粕巻・鴨田・西鴨田・ 小糠田 こぬかだ・鷺沼・仲川原・下川原・弥陀前・道地・村東・谷地田
大字新屋敷
江戸時代末期までは「跨り新田村」があったが、新屋敷村に吸収された[12]
小字:新屋敷・沖・越前・高田・前田元・水尻・芳ノ浦・跨リ
大字上藤島
小字:沖通・街道西・三文字・女郎分・備中下・村東・村西・鎧田畑・六所畑
大字砂塚
小字:砂塚・砂塚谷地・ 河戸向 かどむき・桃谷地
大字大半田
地名の由来は、「大般若」が訛ったものと言われている[13]
小字:大半田・ 尿田 いばりだ・獺野・上川原・北田・大北田・丁野田(ていのだ)・土済・宮田
大字平形
小字:平形・元平形・下平形・入三瀬・大新田・小新田・国分・小割・桜屋敷・田屋敷・西谷地・広表・前荒田・町田・小町田・耳取・柳田
大字幕野内
地名の由来は、戦のあとに武将が幕を張り巡らせていた説や、巻くように流れている川の内側にあったから「巻の内」と呼ばれていた説がある[14]
小字:幕野内・泉田・大橋本・大東・笹久根・仲田・歩谷地・道下・ 谷畔 やくろ
大字箕升新田
1661年寛文元年)に加賀国の渡部氏によって開村された[15]
小字:箕升新田・大谷地・五右衛門作・中道・西新田・東新田・山道場
大字柳久瀬
小字:柳久瀬・缺ノ上・ 狐河戸 きつねこど・九日田・ソブ田・ 外屋敷 とのやしき 止場 とめば・古川・武良免
大字和名川
地名の由来には、2つの説がある[16]
  • 魚を捕まえる「梁」が転じて和名になった説。
  • 輪のように湾曲した川に沿って村が作られ輪内川となり、転じて和名川になった説。
小字:和名川・街道下・北野・杉谷地・中谷地・野田・古田・南田

行政

村長

歴代村長[17]
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 斎藤善太郎 1889年(明治22年)6月19日 1913年(大正2年)2月28日 町村制施行
2 斎藤真三郎 1913年(大正2年)3月28日 1923年(大正12年)12月26日
3 本間広弥 1924年(大正13年)12月25日 1928年(昭和3年)12月24日
4 渡部弥惣兵衛 1929年(昭和4年)1月12日 1933年(昭和8年)1月11日
5 高橋治右衛門 1933年(昭和8年)1月12日 1941年(昭和16年)1月11日
6 山口孫九郎 1941年(昭和16年)1月12日 1946年(昭和21年)11月5日
7 長沼源作 1947年(昭和22年)4月6日 1955年(昭和30年)1月9日 渡前村廃止

水道事業

村営
簡易水道を運営していた[18]。水源は表流水で、飲用には適さなかった[18][19]。給水人口は1954年3月時点で250人[18]
藤島渡前上水道組合
簡易水道を運営していた[18]。水源は地下水[18]

医療

渡前村を含む藤島町外六ヶ村伝染病院組合による病院を、藤島町大字古郡に設置していた[20]

人口

1950年国勢調査による[21]

  • 世帯数:691戸
  • 人口:4,298人
  • 人口密度:314人/km2
  • 男女比:女性100人に対し男性94.0人

産業

主な産業は農業であった。農業戸数は1953年時点で484戸、うち専業農家は293戸であった[22]。米の年間収穫高は1939年で999,750円であった[23]

教育

小学校

出典:[24][25]

各分校・冬季分校は、校名と同名の大字に設置されていた。

  • 渡前村立渡前小学校 - 大字渡前に設置。学級数13組、児童数525人(1953年時点・分校含む)。
    • 大半田分校
    • 平形分校
    • 荒俣冬季分校
    • 柳久瀬冬季分校

中学校

  • 渡前村立渡前中学校 - 大字渡前に設置[24]。学級数は6組、生徒数は251人(1953年時点)[25]

図書館

  • 渡前村立図書館[26]

交通

鉄道路線

出身著名人

参考文献

  • 角川日本地名大辞典 6 山形県
  • 藤島町役場 編『藤島町史 上巻』1965年3月10日。NDLJP:3019311
  • 山形県郷土研究会 編『山形県地名録』郁文堂書店、1966年11月15日。NDLJP:3013702
  • 『藤島町史 下巻』藤島町役場、1972年12月25日。 
  • 山形県 原編『山形県郡市町村沿革録 補訂版』山形県郷土文献刊行会、1978年11月8日。NDLJP:9569986
  • 藤島町議会史編さん委員会 編『藤島町議会史』藤島町議会、1994年12月1日。NDLJP:13065570 

脚注

  1. ^ 『藤島町議会史』79,87頁。
  2. ^ 『藤島町議会史』79頁。
  3. ^ a b 『藤島町議会史』79-81頁。
  4. ^ 『藤島町議会史』103頁。
  5. ^ 『山形県郡市町村沿革録 補訂版』17頁。
  6. ^ 『山形県郡市町村沿革録 補訂版』35頁。
  7. ^ 『村境界変更』官報. 1916年06月19日 - 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2022年2月23日閲覧。
  8. ^ 『町村境界変更』官報. 1918年05月07日 - 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2022年2月17日閲覧。
  9. ^ 『村界並字区域変更』官報. 1920年03月08日 - 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2022年3月8日閲覧。
  10. ^ 「町村境界変更」『官報』1928年08月25日”. 国立国会図書館デジタルコレクション. 2025年4月19日閲覧。
  11. ^ 『藤島町議会史』90頁。
  12. ^ 『藤島町史 上巻』185頁。
  13. ^ 『藤島町史 上巻』206頁。
  14. ^ 『藤島町史 上巻』198-199頁。
  15. ^ 『藤島町史 上巻』209頁。
  16. ^ 『藤島町史 下巻』582頁。
  17. ^ 『藤島町史 下巻』112-113頁。
  18. ^ a b c d e 山形県知事室企画課 (1955年3月). “山形県統計年鑑(昭和28年)” (xls). 13.水道. 山形県. 2025年4月14日閲覧。
  19. ^ 『藤島町議会史』96頁。
  20. ^ 『藤島町史下巻』232頁。
  21. ^ 山形県知事室企画課 (1955年3月). “山形県統計年鑑(昭和28年)” (xls). 1.市町村別年次別世帯数・人口. 山形県. 2025年4月14日閲覧。
  22. ^ 山形県知事室企画課 (1955年3月). “山形県統計年鑑(昭和28年)” (xls). 5.専兼業別農家数. 山形県. 2025年4月14日閲覧。
  23. ^ 山形県統計年鑑(昭和14年)” (xls). 第12表 米. 山形県. 2025年4月14日閲覧。
  24. ^ a b 『藤島町史 下巻』363,530頁。
  25. ^ a b 山形県知事室企画課 (1955年3月). “山形県統計年鑑(昭和28年)” (xls). 23.市町村別小学校・中学校. 山形県. 2025年4月14日閲覧。
  26. ^ 文部省社会教育局 編『図書館一覧 昭和十四年四月一日現在』57頁。NDLJP:1122631
  27. ^ 「斎藤三郎右衛門」『新編庄内人名辞典』庄内人名辞典刊行会、1986年11月27日、306頁。NDLJP:12192996 

関連項目




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