淡水堆積物中
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 22:34 UTC 版)
淡水堆積物は発酵性真正細菌の働きが活発であり、硫酸イオンに乏しい。そのため、有機物はほとんど二酸化炭素、ギ酸、酢酸にまで分解される。また有機酸を電子供与体として水素も発生するので、メタン生成菌の生育の場としては理想的である。特に、淡水中では酢酸の量が多く、淡水で発生するメタン生成の60%は酢酸、40%は水素、二酸化炭素経由である。 多くのメタン生成菌が湖沼や嫌気消化槽から分離されているものの、潜在的なメタン発生源となっているとされる水田から分離された種は多くなく、Methanobacterium spp.や Methanoculleus spp. などが知られるだけである。これは、水田土壌が農閑期に乾燥状態に置かれるため、偏性嫌気性のメタン生成菌の中では特に酸素耐性が高い種が優勢になり、分離される率が高いからだという説もある。しかし最近では、RICEクラスターと言われる難培養性の水田由来のメタン生成菌が多く分離されている。
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