海軍の戦争決意
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:58 UTC 版)
嶋田海相は入閣当初、戦争回避の必要性を明言していたが、10月23日から30日までの連絡会議における討議の影響を受け意見を覆した。30日、嶋田は沢本頼雄次官や岡軍務局長に対し「数日来の空気より総合して考えうるに、この大勢は容易に挽回すべくも非ず」「自分は今の大きな波を到底曲げられない」として戦争決意を表明した。澤本は「何度考えて見ても大局上戦争を避くるを可」「米国の国情として議会に諮らずして戦争をすることは有り得ない」として再考を促したが、嶋田は色をなして「次官の保証がいくらあっても何の役にも立たぬ。時機を失せぬ様にすることが大切である」と押し通した。この嶋田の姿勢について、「政治的に無経験な嶋田の履歴や性格から、彼が開戦・避戦の大局的な判断を短時日のうちにおこなうのはもともと無理な課題であった」との指摘がある。 こうして「実質的に、開戦への最後の歯止めは取り除かれた」形となり、海軍の戦争決意は「対米開戦のポイント・オブ・ノー・リターン」となった。
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