海水への適応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 05:39 UTC 版)
海水には塩化ナトリウムなどの無機塩類がさまざまな濃度で溶け込んでおり、その浸透圧は1,000mOsm(ミリオスモル)に達し、淡水(0.1-1mOsm)よりもはるかに高い。この高浸透圧環境に対し、海水魚は大きく分けて3種類の方法で適応している。すなわち、ヌタウナギなどにみられる浸透圧順応型、軟骨魚類・肉鰭類による尿素を利用した浸透圧調節、そして真骨類における塩類細胞を用いたイオン排出機構である。 塩水に対する魚類の適応範囲はさまざまで、幅広い塩分濃度に対応できる魚類を広塩性魚(euryhaline fishes)、特定の塩濃度環境下でないと生きられないものを狭塩性魚(stenohaline fishes)と呼ぶ。ウナギ・サケのような回遊魚は広塩性魚の代表であり、河口域など塩分濃度の変化が大きい海域に住む海水魚にも広塩性を示すものが多い。狭塩性の海水魚としては、マグロなど外洋性の魚類が多く該当する。一部の広塩性魚は塩分を薄めた水に徐々に慣らすことで、淡水魚と同じ水槽で飼育することも可能である。
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