活動歴の調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 15:56 UTC 版)
1995年の兵庫県南部地震を期に設置された地震調査研究推進本部を中心として、全国の主要な活断層の調査が行われることになった。初年度の1995年には野島断層などの他、その北東延長線上の有馬-高槻断層帯が調査の対象となった。担当となった寒川旭らは、花屋敷低地帯北縁断層・坊島断層・真上断層・安威断層を発掘するトレンチ調査を行った。 その結果、川西市の花屋敷低地帯北縁断層では北東-南西方向の引張力による地面の引き裂きを伴う右横ずれ活動の痕跡が発見された。これは安土桃山時代の土師皿を含む地層を引き裂き、その上部は江戸時代の陶磁器片を含む耕作土に覆われていたため、この活動の痕跡の年代は安土桃山時代から江戸時代に移行する短い期間内に絞られ、該当する大地震は慶長伏見地震となる。 また、箕面市の坊島断層でも畦道が3mほど右横ずれに食い違っている地点があり、鎌倉時代から室町時代に使われた瓦器片を上部に、さらに最上部に安土桃山時代と思われる瀬戸焼片を含む変位した地層を、江戸時代の土釜の一部を含む地層が覆い、この活動も慶長伏見地震の可能性が高いとされた。 さらに、東方の茨木市と高槻市にかけて並行する真上断層、安威断層の調査でも、真上断層は室町時代から江戸時代の間、安威断層では鎌倉時代以降の活動の痕跡が発見された。安威断層の西端は耳原遺跡を横切り、この遺跡の発掘調査から慶長伏見地震の一つ前の活動の痕跡も発見され、その放射性炭素年代測定から約2800-3000年前と推定された。 加えて、有馬-高槻断層帯よりはるか南西側に位置する淡路島東海岸に沿う東浦断層、野田尾断層で発見された痕跡も慶長伏見地震の発生時期に対応していた。
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