治療手技詳細
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 08:58 UTC 版)
「超選択的気管支動脈塞栓術」の記事における「治療手技詳細」の解説
2ミリ弱の太さのカテーテルを、足の付け根(大腿動脈)または手首の動脈(橈骨動脈)から挿入し、気管支動脈(正常であれば1mm未満であるが、喀血患者では1mm~3mm程度に拡張蛇行していることがほとんどである)やその他の喀血関連血管にその先端を挿入する。造影剤を注入し、喀血に関与した血管である所見(拡張・蛇行・肺動脈へのシャントなど、特発性喀血症においては毛細血管増生のみが多い)が確認されれば、カテーテルの中に、さらに細いマイクロカテーテル(0.8mm程度)を通し、喀血関連血管の中に進め、適切な部位で塞栓物質を注入・留置し塞栓する。出血の原因となっている血管を塞栓し、高圧系である体循環から低圧系である肺循環へのシャント(異常吻合)にかかる圧を減圧することにより止血をする方法である。 局所麻酔で実施され、所要時間は1時間から3時間程度である。 使用カテーテルは、Ishikawaらの喀血・肺循環センターでは、以下の通りである:大動脈領域は、オリジナルカテーテルであるISHIKAWAカテ(MERIT MEDICAL Modified ISH、FUKUDA RYM50LR35-14 5F Ishikawa )や左冠動脈用のAL1・AL0.75・AL1.5などを、鎖骨下動脈領域は一般的内胸動脈用カテーテルに加え、急角度で分岐する内胸動脈についてはISHIKAWA6(MERIT MEDICAL ISH6、FUKUDA RYM50ITA1-19 4F Ishikawa6)やISHIKAWA mild6(FUKUDA RYM40ITA1-27 5F Ishikawa mild 6)を用いる 治療手技の詳細については英語論文では岸和田リハビリテーション病院 喀血・肺循環センター Ishikawa/Ryuge/Haraらの長期成績論文 (BMJopen)または、一般向けには日本語でメディカルノート(気管支動脈塞栓術)に詳細に記載されている。さらに、2019年5月には「呼吸器領域IVR実践マニュアル」(文光堂)が出版され、国立病院機構 東京病院 肺循環・喀血センターの益田が、第1章に10頁にわたり、医師向けにわかりやすく具体的な記述をしている。
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