決め技とは? わかりやすく解説

フィニッシュ・ホールド

(決め技 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/11 09:25 UTC 版)

フィニッシュ・ホールドは、プロレス用語でありプロレスラーの決め技を意味する。

概要

プロレスの試合においてプロレスラーは様々な技を駆使して観客にアピールするが、その中で、あるレスラーがその技を出せば試合に決着を付けられるとされる技のことを特にフィニッシュ・ホールドと呼ぶ。

フィニッシュ・ホールドは、レスラーのキャラクター性を構成する重要な要素である。そのため、既存の技を自分のフィニッシュ・ホールドにする際に、あえて別の名前をつけるレスラーも多く存在する。この場合、技の名前には、レスラーの名前やキャッチフレーズ、外見的イメージを含むケースが大半である。特にそのフィニッシュ・ホールドがあるレスラーの開発したオリジナル技であった場合(元祖)、「バックドロップルー・テーズ」というように、その技を使うレスラーの代名詞、または同義語として扱われる。つまり、いかに自他共に認める説得力のあるフィニッシュ・ホールドを身につけるかが、レスラーとしてのステータスを決めるといっても過言ではない。

21世紀からのプロレスは受身が高度に発達してきていることから、フィニッシュ・ホールドを出しても決まらなくなってきているケースが増えている。ストーリー性を重視するWWEでは、試合の決着や、試合の流れが変わる際にフィニッシュ・ホールドが多用されている。フィニッシュ・ホールドを使用しても勝利できなかった場合、相手に逆襲されて敗北するというパターンも多い。それだけフィニッシュ・ホールドは勝負に重要な意味を持つということである。

日本語のプロレス用語では固め技以外のものもフィニッシュ・ホールドと呼ぶのが一般的であるが、紛れを嫌って英語圏必殺技一般を指す言葉「フィニッシュ・ムーブ」を用いる人もいる(参照:w:Finishing move)。

また、劣勢に立たされているレスラーが試合の流れを変えて、自分が優勢になる際に繰り出す技もフィニッシュ・ホールドと呼ばれる場合がある。この場合、「フィニッシュ」という言葉の意味から使用法が不適切であるため、最近[いつ?]ではフィニッシュ・ホールドのかわりに「フェイバリット・ホールド」の名称を使用する傾向がある。

ワールドプロレスリングで実況を務めていた古舘伊知郎藤波辰巳vs長州力戦において、藤波が長州のフィニッシュ・ホールドであるサソリ固めを使用したことを「掟破りの逆サソリ」と称したように、対戦相手のフィニッシュ・ホールドを使用する行為は「掟破り」と呼ばれる。これは掟破りを使用したレスラーへの非難というよりも試合中に起こったサプライズという意味で使用される。

論争

2019年3月、豊田真奈美(2017年引退)が自身のフィニッシュ・ホールドであったジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスを無断で決め技として使われたことに異議を唱えた[1]。豊田の出身団体である全日本女子プロレスでは、「先輩の得意技を、その先輩が引退するまで使わない」「自分が引退する時、自分の得意技を、後継者と認めた後輩に託す」という暗黙の了解があり、藤本つかさを自身の後継者と認めていたので、自分が後継者として認めていないレスラーに使われるのは心外であるとの考えでからであったが、この主張に対し現役レスラーなどから賛否両論が巻き起こった[2]

同義・類義の用語

同義語

フィニッシュ・ムーブ
フィニッシュ・ブロー
フィニッシング・ホールド
フィニッシング・ムーブ
フィニッシング・ブロー
フィニッシャー
必殺技
決め技

類義語

フェイヴァリット・ホールド
フェイヴァリット・ムーブ
シグネイチャー・ホールド
シグネイチャー・ムーヴ
得意技
上記、三語はフィニッシュ・ホールドとまではいかずとも得意とする技を指す。
ただし、フィニッシュ・ホールドと同義の意味で使用されることもある。
トレードマーク・ホールド
トレードマーク・ムーブ
上記、二語は代名詞的な技という意味合いで使用される。
フィニッシュ・ホールドと同義の意味で使用されることはないが、フィニッシュホールドが代名詞的な技であることが多いため、あまり使用されることはない。

なお、「ブロー」(blow)の表現は打撃を意味する単語のため、打撃系の技に対して使用し、それ以外は「ホールド」を使用する傾向がある。


脚注

関連項目


決め技

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:26 UTC 版)

渕正信」の記事における「決め技」の解説

バックドロップ 渕の言わずと知れた伝家の宝刀である。海外遠征から帰国した頃は長州のような高角度の捻り式バックドロップジャンプしながら放っていた事から、「ジャンピング・バックドロップ」と呼称された。しかし、バックドロップ元祖であるルー・テーズから「バックドロップ大切なのは叩きつけるスピード、高さはあまり関係ない」とアドバイスされ現在の低空高速ブリッジを効かせたヘソ投げタイプ変更している。一時全日本プロレスにおいては鶴田スティーブ・ウイリアムス小川良成並び渕もバックドロップ四大名手呼ばれた大一番になると連続して相手繰り出し、1ダース12発)以上連発することもあり、特に第10代世界ジュニア王者時代防衛戦菊地毅繰り出した10連発は、今だ伝説的なものとなっている。 延髄斬り 一連のコンビネーションの中でタイミング良く決める。渕の場合は、元祖アントニオ猪木のようにタメを効かせて大きく弧を描くように決めるのが特徴である。隠れた名手としても知られ一撃強豪ダニー・クロファット沈めた事もある。長期政権築いた第10代世界ジュニア王者時代には、バックドロップに次ぐ渕のフィニッシュとしても使用されていた。 フィスト・ドロップ トップロープからのダイビング式ここ一番使用したり、長期政権築いた第10代世界ジュニア王者時代などには渕の隠しフィニッシュ的に使用されていた。ヒールユニット・ブードゥー・マーダーズと一時的に共闘し、AKA-ONI名乗っていたときはメインフィニッシュホールドとした。 スモール・パッケージ・ホールド首固め) 渕の場合は4回、5回と連続繰り出すことがあり、諦めてフォール奪われ選手は多い。

※この「決め技」の解説は、「渕正信」の解説の一部です。
「決め技」を含む「渕正信」の記事については、「渕正信」の概要を参照ください。

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